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【クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ 第1ステージ:レビュー】昨年の落車リタイアのリベンジ果たした“ニュー・デヘント”ファンムール「自分がどこまで行けるか試してみたい」
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介そんな緊張の8日間。昨年は新型コロナ禍の大混乱で開催時期が変わり、ステージ数も5つに減ったが、今年は本来の開催時期に戻ってステージ数も通常通りに。山岳や丘陵がメインではあるが、途中では2年ぶりの個人タイムトライアルも設けられ、総合力が試される構成に整った。
小高い丘を7つ越えるコースセッティングになった第1ステージ。4人がリードし、最大で5分ほどのリードを得た。その後、人数を1人減らして3選手の逃げ態勢がしばし続いたが、最後の上りでファンムールが渾身のアタック。
逃げるファンムール
一方で、メイン集団は着々と前との差を縮めていたが、ところどころで誤算が生じた。トレック・セガフレードはスプリントを狙えるはずだったマッズ・ピーダスンが早々に遅れ、UAEチームエミレーツもアレクサンダー・クリストフが粘り切れず。さらには総合成績を見込まれていたブランドン・マクナルティまで脱落。そうこうしているうちに、先々を見据えてセーフティを選びたいチームと是が非でもスプリントを狙いたいチームとが混沌。意思統一が図られないまま、ファンムールの逃げ切りを許す形になった。
最後の12kmを1人で走り抜いたファンムールはというと、プロトン内ではまだまだ無名とはいえアンダー23時代の2018年には、ロード世界選手権の個人タイムトライアルで2位になった実力者。プロ入り後はタイムトライアルでの実績はないものの、たびたび逃げにトライしているヤングライダーである。先週はベルギーのレースで逃げ切りのチャンスがありながら失敗。さらにいえば、昨年のドーフィネでは第1ステージで逃げに入りながら落車してリタイア。
「今日はとにかく逃げに入りたいと思っていた。本来の目的は山岳賞ジャージだったのだけれど、調子が良かったので逃げ切りに挑戦してみようと思い直した。昨年のリタイアでドーフィネのことを思い出したくない時もあったけど、それを忘れられるくらい今は幸せさ」(ブラント・ファンムール)
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