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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第21ステージ】ツール・ド・フランスの頂点に立ったコロンビアの若き至宝が復活の総合優勝!エガン・ベルナル「失ってしまったなにかを再び見つけられた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかレミ・カヴァニャの出走時間は、ガンナからちょうど50分後だった。当然ライバルの身になにが起こったのかも把握していた。現役フランスTTチャンピオンは、控えめに走り出し(第1計測は13秒29秒遅れ)、徐々にスピードに乗っていった(第2計測は5秒06遅れ)。イタリアTTチャンピオンが自転車交換で失った時間を考えれば、もはや優勝は約束されていたはずだった。
なんと残り500m、左にカーブを切るべきところで、カヴァニャはまっすぐ進んでしまった。そのままフェンスに一直線。地面に転がり落ちた。
「実は最後のカーブの存在を忘れていたんだ。無線で『気をつけろ!左に曲がれ!』って言われたけど、全速力で走っていたから、そのまま突っ込んで転んだ。とにかくすぐに立ち上がって走り出した。最後まで諦めたくなかったから」(カヴァニャ)
レース後に優しい表情を浮かべるガンナ
残念ながら失ったタイムは大きすぎた。「クレルモンフェランのTGV」は、「トップガンナ」に12秒12届かなかった。最終的にカヴァニャは区間2位に泣き、ガンナが栄光を手に入れた。
「結局のところ、僕らは同じカードで戦ったことになるね。僕はパンクで、彼は落車。このパンクと落車がなかったとしても、同じ結果がでていたと思う」(ガンナ)
ガンナにとっては初日に続く今大会2勝目であり、2020年ジロ第1ステージから数えて個人タイムトライアルステージ5区間連続優勝。昨大会もたしかにテイオ・ゲイガンハートの総合優勝のために「最終盤だけ」働いたが、今大会は9日目にベルナルが早くもマリア・ローザを手にしたため、ほぼ2週間丸々牽引作業に打ち込んだ……その果てにつかみとった大きな勝利だった。
「2つ目のタイムトライアル勝利を、エガンのマリア・ローザと共に祝えるなんて、とてつもないご褒美だよ。この3週間、大いに苦労してきた。でも自分が支えてきたリーダーが、最終日に両手を天に突き上げた時、また次へのやる気がわいてくるんだ」(ガンナ)
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