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サイクル ロードレース コラム 2021年5月30日

【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第20ステージ】誰かを支え続けてきた男の美しいグランツール初区間勝利!ダミアーノ・カルーゾ「今日は僕が世界で一番幸せな男だ」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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カルーゾは最後まで力強くありつづけた。なにやら開催委員の意図を感じさせるような、フィニッシュ手前2.3kmの中間ボーナスポイントを首位3秒で通過し(後方ではベルナルが3位通過1秒収集)、残り2kmではバルデを振り落とした。同じ頃メイン集団に留まっていたのは、もはやマルティネス、ベルナル、アルメイダ、イェーツだけ。前日の区間勝者イェーツは次第に遅れだし、3週目の山岳を多いに盛り上げたアルメイダも、残り1.5kmで千切れていった。

残り1km。マルティネスが驚異的な仕事を終え、背後の追走者はベルナルただ1人となり、この時点でもカルーゾはいまだ24秒のリードを保っていた。プロ人生たった3度目の……そして生まれて初めてのグランツール区間勝利を、ついに確信した。落車で3選手が次々とリタイアし、後半90日間をたった5人で戦い続けてきたチームに、今大会区間2勝目をもたらした。

「僕はこれまで一度も華やかな栄光を手にしたことはないし、いつだって他の選手のために働いてきた。ラスト1200mは、自分がこれまでの長い年月で積み重ねてきた努力をしみじみ思い返した。今日は僕が世界で一番幸せな男だ」(カルーゾ)

カルーゾの24秒後にベルナルは走り終え、マリア・ローザの3週目を支えたマルティネスは、35秒後にすべてのアシスト作業を終えた。同タイム4位でフィニッシュしたバルデは、「今日は本当に勝ちたかったから自分に腹がたつ」と吐き捨てた。アルメイダは41秒差、イェーツは51秒差だった。

マリア・ローザのベルナル

マリア・ローザのベルナル

チームメイトと手を取り合って戦ってきた3週間は終わった。エガン・ベルナルは12日連続マリア・ローザを着用中で、攻撃的な走りを成功させた総合2位カルーゾは、首位とのタイム差を2分29秒から1分59秒へと縮めた。同時に3位イェーツに対するリードは20秒から1分24秒に開いた。もちろんイェーツと総合4位は3分44秒以上も離れており、3人の表彰台乗りはほぼ確定したと考えて良さそうだ。むしろ4位から8位までが渋滞気味。4位ウラソフ、5位バルデ、6位マルティネスの3人は49秒内にひしめき、今区間2つ順位を下げた総合7位のヒュー・カーシー、8位アルメイダまで含めても1分43秒差でしかない。

あとはたった1人で30.3kmを戦うだけ。すべては5月最後の日曜日、ミラノで決する。

「タイムトライアルは僕の専門分野ではない。上手くコントロールしていく必要がある。とにかく2分差で勝とうが、1秒差で勝とうが関係ない。大切なことはトロフィーに名前を刻むこと」(ベルナル)

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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