人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2021年5月30日

【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第20ステージ】誰かを支え続けてきた男の美しいグランツール初区間勝利!ダミアーノ・カルーゾ「今日は僕が世界で一番幸せな男だ」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
  • Line

「僕らに失うものなんてなにもなかった。もはやマリア・ローザを脅かす位置にもいなかたし、それに今ジロの僕はあまり攻撃的に動けなかったから、前に行きたかった」(バルデ)

イェーツは「2つ目の山で動こうと思っていた」そうだが、総合6位ロマン・バルデは先手を打った。あっという間にメイン集団を小さく切り刻み、ライバルの「アシストたち」を後方へと吹き飛ばした。さらには逃げの残党5人から50秒遅れで山頂を越えると――山岳賞首位ジョフリー・ブシャールが、集団内でかろうじて6位通過を成功させる--、約20kmのダウンヒルへと全開で飛び込んだ。

細かく連なる九十九折の坂道を、DSM隊列は恐ろしい勢いで下り続けた。雪解け水のせいで、道路はところどころ濡れていた。まるで当然のように分断が発生する。クリス・ハミルトン、マイケル・ストーラー、そしてバルデのDSM3人の背後に、とてつもなく大きな穴が生まれた。

もちろんイネオス・グレナディアーズは、総合ですでに7分半以上離れているバルデを、慌てて追う必要はなかった。むしろ下り苦手な山岳最終補佐、ダニエル・マルティネスを絶対に失うわけにいかない。ベルナル曰く「リスクを冒したくなかった」。慎重に軌道を取り続け、穴は次第に大きくなっていく……。

と、この成り行きをチャンスと感じ取ったのが、総合2位カルーゾだ。ペリョ・ビルバオに引かれて、素早くイネオス隊列を追い越すと、そのまま猛然と前方へ突っ走った。フィニッシュまでいまだ52kmも残っていたというのに!

「予定なんかしてなかったよ。時に『幸運』にもこんなことが起こる。それをつかむためには、ほんの少しの『狂気』と、『インテリジェンス』が必要だ。DSMの攻撃を見て思ったんだ。こんな日には、なにが起こるか分からない。彼らについて行こう、って。そしてペリョと共に飛び出した」(カルーゾ)

DSMの3人と、バーレーン・ヴィクトリアスの2人は、すぐに逃げの5人に追い付いた。両チームのアシストは猛烈に牽引を続けた。イタリア代表チームで時にカルーゾと共闘してきたヴィスコンティや、サンウェブ所属時代にハミルトンやストーラーと同僚だったフェルファークさえ、積極的に作業に加わってくれた。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ