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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第19ステージ】復調のサイモン・イェーツが3年ぶり4度目のジロ区間勝利に歓喜「体調問題も解決したし、今は最高な気分だよ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか両手を上げてフィニッシュするサイモン・イェーツ
大会序盤2週間は不調に苦しんだサイモン・イェーツが、大会の終わりに、ついに区間優勝の歓喜を味わった。その大会序盤2週間で着実にリードを積み重ねたエガン・ベルナルは、苦しみつつも、ひたすら冷静にコントロールに徹した。ミラノ到着を2日後に控え、総合トップ10の順位に一切変更はなかった。ただ1位から3位までのタイム差は34秒縮まり、2分49秒差となった。
「とにかく今の自分のベストを尽くしているだけ。もしも明日も脚があれば、トライする。約束は出来ないけれど、自分に果たしてなにができるのか、見ていこうじゃないか」(イェーツ)
5日前のロープウェイ落下事故の影響で、コースには変更が加えられた。ステージ中盤に予定されていた登坂距離長め+15%ゾーンを含む1級峠登坂が、プロトンの行く手から姿を消し、代わりに小さな4級峠が組み込まれた。ステージ距離も10km短縮され、167kmの短距離争へ姿を変えた。
つまりほんの少し難度が下がり、当然、一部の選手たちを勇気づけた。スタートから猛スピードの逃げ合戦が始まった。一時は25人ほどの大集団が遠ざかりかけた。しかもTT巧者レミ・カヴァニャが、ドゥクーニンク・クイックステップ仲間2人を連れて前に飛び乗った。すぐにイネオス・グレナディアーズの個人TT世界王者フィリッポ・ガンナが、体を張って食い止めた。
道は真っ直ぐで、障害物もなく、平坦で、しかも追い風だった。序盤30分はなんと時速55km以上で追いかけっこを続けた。幸いにも高速チェイスは、1時間程度で終わりを告げる。45km地点でローレンス・ワーバス、ニコラ・ヴェンキアルッティ、ジョヴァンニ・アレオッティ、マーク・クリスティアン、そしてクイントン・ヘルマンスとアンドレア・パスクアロンが飛び出すと、これが本日の逃げとなった。
残念ながら6人は、メイン集団から最大4分程度のリードしか奪えなかった。今大会ここまでの18日間で、個人TT1日と集団スプリント5日間、さらにベルナルの区間2勝を除くと、その他10日間はすべて逃げ切り勝利が決まってきた。しかしこんな連日の大盤振る舞いを、この日のチーム バイクエクスチェンジは許すつもりはなかった。総合3位サイモン・イェーツ率いるオージー軍団は、逃げが飛び出していくと、すぐさま牽引作業に乗り出した。
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