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サイクル ロードレース コラム 2021年5月28日

【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第18ステージ】巧みな戦術眼で遂に人生初のグランツール区間勝利!アルベルト・ベッティオル「何度も何度も繰り返す強さをもたねばならない」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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次に大鉈を振り下ろしたのはレミ・カヴァニャだ。先行するオートバイの後流を利用して勢い良く前方へと飛び出すと、残り26km、単独走行へと持ち込んだ。2019年ブエルタでは25kmの独走勝利をかっさらった「クレルモンフェランのTGV(超高速列車)」は、上りは一定リズムで、下りは果敢に攻めた。ライバルたちには一時30秒近い差を押し付けた。

この時は、残された者たちの警戒合戦に巻き込まれ、ベッティオルはすぐには動けなかった。しかも唯一等級がつく山岳(残り22.4km)の下りで、小さな軌道ミスを犯し、少々後手に回ったことも。ただし繰り返される離合集散の流れに乗って、問題なく第一追走集団へと戻った。

残り15km、終盤に連なる上りの中で最も難しい「壁」へと差し掛かると、ついにベッティオルは本格的な勝負モードに切り替えた。前日の激勾配フィニッシュで、総合5位ヒュー・カーシーをフィニッシュラインまで支え続けた強脚は、1人で後を追い、「世界屈指のタイムトライアルスペシャリスト」との距離をじりじりと縮めていく。

カヴァニャを捕らえたベッティオル

カヴァニャを捕らえたベッティオル

「だけど僕だって世界屈指のタイムトライアリストだからね……。いやいや、ともかく、カヴァニャのような強い男は、きっと先に仕掛けてくると読んでいた。だけど幸いにも、これはジロ・デ・イタリアの3週目であり、幸いにも、最終盤は本当に本当に強烈だった」(ベッティオル)

231kmという長距離も、幸いだったのかもしれない。2019年春に全長267kmのツール・ド・フランドルで、残り17km地点=250km地点でのアタックを成功させ、ベッティオルは独走勝利を飾っている。持久力に不安はなかった。

なによりの幸いは、カーシー本人から、逃げへの「青信号」をもらったこと。絶対に無駄にはしたくなかった。下りで合流してきたロッシュは、残念ながら、引いてはくれなかった。そもそも後ろにアルントがいたし、なにより「もう体力がないから無理だ」と断られた。だからBMC時代の2018年にチームメートで、時にテネリフェ島で一緒に合宿を積む仲良しを振り払うと、再び上りを利用して、ベッティオルは単独で前を追いかけた。

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