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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第18ステージ】巧みな戦術眼で遂に人生初のグランツール区間勝利!アルベルト・ベッティオル「何度も何度も繰り返す強さをもたねばならない」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかそして、これ以降は、果てしなくタイム差が広がっていく。なにしろ序盤1時間を時速48.7kmで逃げ続けた23人は、逃げが許容された後でさえ、脇目も降らず前方へと突っ走った。おかげで区間勝者は最終的に時速44.040kmでぶっぱなし、初日個人タイムトライアルを除く今大会最速記録を叩き出したのだ。一方でメイン集団の最終的な走行時速は約41km。逃げ合戦に費やした最初の1時間を除くと、さらに平均は約39kmにまで下がる。参考までに、前日の難関山頂フィニッシュの平均時速は39.3kmだった。
前半200kmはほぼ何の難所も存在しないステージで、1度目の中間スプリントだけが小さく加熱した。中間ポイント賞と敢闘賞でいずれも3位につけるシモン・ペローが、先頭通過に向けて真っ先に仕掛けた。中間5位のサムエーレ・リーヴィも飛び出した。しかし両賞で首位を突っ走るドリース・デボントのチームメート、ジャンニ・フェルメールシュがまんまと機会を握りつぶした。
ところでペローは大逃げ距離で争う「フーガ賞」では695kmでダントツ首位につけるが、距離が加算されるのは「10人以下の逃げ」のみ。この日の24人の逃げは、残念ながら同賞にはカウントされなかった。
何もない200kmが終わると、まるでジェットコースターのような30kmがやってきた。いや、逃げたイタリア人シモーネ・コンソンニに言わせれば、「カジノ(はちゃめちゃ、というような意味。発音はカズィーノ)」だった。嫌がらせのように次々と襲い来る起伏と、細く曲がりくねった道。そんな丘陵地帯を舞台に、スタート時にも負けぬ、壮大なるどんぱちが勃発した!
サムエーレ・バティステッラの突進で幕を明けたアタック合戦に、ベッティオルもためらわず飛び込んだ。先頭に紛れ込んだ実力者の1人、パトリック・べヴィンがカウンターを仕掛けると、猛烈に後を追った。そのまま出来上がった6人の集団の先頭に立ち、とてつもなく強烈なテンポを刻みつけた。ただし複数を送り込んだチーム……特にニコラス・ロッシュとニキアス・アルントを有するDSMの連携で、一旦戦いはリセットされる。
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