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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第17ステージ】史上102番目の偉業!全3大ツールで区間勝利を成し遂げたダニエル・マーティン「今だって信じられない」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかそして翌日が平坦ステージであることを考えると、クライマーにとって、「勝利のチャンス」はあと3回。だから残り110km、メインプロトンを淡々と制御していたイネオス・グレナディアーズから、突如としてバイクエクスチェンジが主導権をむしりとった。3選手が最前列に駆け上がると、牽引を開始した。
「理由は逃げに乗り遅れたから。僕らステージ優勝が欲しかったんだ。後半1つ目の山岳に入る60km前から、仕事を開始した。必ずしも前を牽引したくはなかったけれど、区間を狙うためには、そうするしかなかった」(イェーツ)
その後半1つ目の山岳に入ると、長く、勾配の厳しい山道で、逃げ集団もメイン集団も着実に小さくなっていく。特に前方では、マーティンがとてつもなく厳しいテンポを強いた。駆け引きも、協力要請もせず、ひたすら毅然と突進を続けた。山の脚のない者は次々と後退し、モスコンとアントニオ・ペドレロだけが共闘を続けた。
また一旦は脱落したブシャールも、マリア・アッズーラのために、粘り強い追走を実らせた。山頂の手前で先頭に追い付くと、1級峠1位通過で40ptを回収。5度目の逃げのミッションを成功させた。2019年ブエルタ山岳賞は、何事もなければ、第19ステージのフィニッシュ地までは青いジャージを着て走ることができる。
フィニッシュ手前38.6kmの同山頂では、総合6位ジュリオ・チッコーネが、手痛いメカトラの犠牲となる。ただ素早いバイク交換と、トレック・セガフレードの仲間2人(しかもうち1人はヴィンチェンツォ・ニバリ)が待っていてくれたおかげで、下りを利用して素早く集団へ復帰する。
しかし、その直後、残り30kmを示すアーチの手前だった。すでに30人程度に小さくなっていたマリア・ローザ集団の後方で、ダウンヒル中に落車が発生。多くの選手が巻き込まれ、レムコ・エヴェネプールもガードレールに衝突した。追い付いたばかりのトレック3人組は、不運にも、全員地面に投げ出された。腰と左腕を強打しながらも、チッコーネはすぐに歪んだ自転車に飛び乗った。一時は45秒近い遅れを喫したが、15kmもの長い追走の果てに、再度の自転車交換と2度目のメイン集団復帰を成功させた。
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