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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第15ステージ】今大会11人目のグランツール区間初勝利!アグレッシヴなロードレースライダーに変貌したカンペナールツ「みんながいるから僕がいる」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかコロナ禍「以前」を思い出させる盛り上がり
フィニッシュ手前4.5kmからの上りも、無印ではあったけれど、やはり勾配15%が控えていた。リースビークは上り前に敵を引き離そうと、2度ほど加速を試みたが、いずれも無駄に終わった。するとカンペナールツは、首に青筋が出るほどの猛烈さで、激坂最終盤をアウターで踏み倒し..ほんの数十メートルほど距離を開いた。そのまま下りも先行した。
「僕はミスを犯した。いや、僕自身がミスを犯したのかどうか、分からない..」とフィニッシュ直後に混乱したようなコメントを残したリースビークは、そのわずかな距離を埋めるのに、雨の中、まるまる2kmもかかった。だから残り1kmでついに後輪をとらえると、そこからラスト250mまでは、決してカンペナールツの前には出ようとはしなかった。
残り1kmで追走との差は相変わらず20秒。目の前の敵の出方を伺いつつ、後方との距離も確認しつつ、とてつもない緊張感が2人を包んだ。濡れた石畳と、残り500mから待ち構えていた小さな連続カーブも、スリリングな雰囲気を煽り立てた。ついにアスファルトの最終ストレートにたどり着くと、残り250m、リースビークが真っ先にスプリントを切った。
しかしカンペナールツは驚くほど上手く切り抜けた。U23時代から手に入れてきた勝利はすべて個人タイムトライアルによる成果で、2019年ベルギーツアーでプロ人生初めてラインステージを..しかも3人によるスプリントで勝ち取った29歳は、残り100mで抜き返した。そのままフィニッシュラインへと先頭で駆け込んだ!
「このシーズンを始める前に、いつもとは少し違うアプローチをしようと考えた。だって個人TTで成績を出すことが、僕にとっては難しくなったから。ガンナ、レムコ、ワウト..。だから僕は目標を変えた。アグレッシヴなロードレースライダーを目指したんだ」(カンペナールツ)
世界戦銅メダル1回、グランツール区間3位以内5回と、個人タイムトライアルではあと一歩で大きな結果に届かなかった。しかし「アグレッシヴロードレースライダーとして戦った生まれて初めてのグランツール」で、とうとう生まれて初めてのグランツール区間勝利を手に入れた。
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