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サイクル ロードレース コラム 2021年5月24日

【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第15ステージ】今大会11人目のグランツール区間初勝利!アグレッシヴなロードレースライダーに変貌したカンペナールツ「みんながいるから僕がいる」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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ヴィクトール・カンペナールツ

チームジャージに描かれた「手(hand up=救いの手)」をアピール

スタート直後の混乱も、フィニッシュ直前の大雨も、ヴィクトール・カンペナールツの決意を乱さなかった。毅然と一騎打ちスプリントを制し、「ロードレーサーへの完全転向」を成功させた。大好きなチームにもう1つ勝利を献上し、フィニッシュラインでも、表彰台でも、チームジャージに描かれた「手(hand up=救いの手)」を大きくアピールした。

「『ウブントゥ』、つまり『みんながいるから僕がいる』の精神でレースに挑んだ。チームとして戦った。だから僕の勝利であると同時に、チームみんなの勝利なんだ」(カンペナールツ)

短くて、長い1日。ステージ距離は147kmと、2021年ジロのラインステージとしては、2番目に短かった。翌日の長距離&超難関&午前中スタートという三重苦に備えて、できる限り手短に戦いを終わらせる予定だった。

ところが、たった1.8kmのパレード走行を終え、スタートフラッグが振り下ろされてから3km。強い追い風が吹き抜ける、海の上の一本道で、飛び出した20人ほどが猛スピードで前進している最中に..プロトン後方で集団落車が発生。多くの選手が激しく地面に叩きつけられた。わずか数十秒後に開催委員会はレースの一旦停止を決定。スタートから5km地点前後で、プロトンは完全にストップした。

残念ながら4人が途中棄権を余儀なくされた。2週目に入り調子が右肩上がりだったエマヌエル・ブッフマンは、軽度の脳震盪で、総合6位のまま大会を去ることに。ヨス・ファンエムデンは肋骨5本骨折と肺挫傷で、ナトナエル・ベルハネは肩鎖関節脱臼で即時リタイア。ルーベン・ゲレイロは一旦は走り出したものの、肋骨の痛みを訴え、最終的に自転車を降りた。

一旦停止中には、巻き込まれたたくさんの選手たちが治療や自転車交換、さらには破れたジャージの着替えを行った。選手や車列が並び直し、救急車を前方へと送り出して..。ジロ一行は、徐々に秩序を取り戻していく。

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