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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第14ステージ】バッソとコンタドールに導かれたフォルトゥナートがゾンコランを制圧!「この2人は、それこそ全てを勝ち取ってきた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかそう、バッソは、2010年にゾンコランを制している。一方のコンタドールは2011年、マリア・ローザ姿で、ここで直接的ライバルを振り払った。そして2021年のマリア・ローザは、残り10kmを切ると、ついにアスタナから制御権をむしり取った。序盤からせっせと働いてきたせいか、すでにアシストを2人しか残していないウラソフに対して、ベルナルにはいまだ4人の頼もしい味方がついていた。イネオス精鋭軍はいつも通りに厳しい勾配で厳しいテンポを刻み、徐々に集団を削っていく。
残り約1.5km。昨ドーフィネ総合覇者ダニエル・マルティネスが、先頭集団を15人ほどにまで絞り込んだあとだった。勾配20%ゾーンで、サイモン・イェーツが鋭いアタックを打つ。ベルナルは苦もなく後輪に飛び乗った。
イェーツの後輪に乗ったベルナル
「ライバルの中で、一番アタックを打ってくる可能性が高いのは、イェーツだろうと予想していた。ゾンコランは彼向きの上りだからね」(ベルナル)
大会序盤は調子が上がらず、最初の10日間を総合9位で折り返したイエーツだったが、今日は「1週目よりも脚の調子が良かった」。ここまでに失ったタイムをできる限り取り戻すため、2018年ブエルタ総合覇者は、とにかく大急ぎで前進を続けた。一方のベルナルはただ背後に潜んでいた。
「僕は上手くやったと思うよ。すごい高速ステージだったけれど、1日の大半を、上りの大部分を、後輪で過ごすことが出来たんだからね。イェーツがアタックした時に、ついていけたのも幸いだった」(ベルナル)
しかしベルナルは、最終的には後輪から飛び出していくのだ。フィニッシュまで約300m。おそらく勾配が最も厳しいゾーンでイェーツを素早く振り払うと、迷わず山頂へと駆け上がった。逃げた11人のうち、8人を回収し、フォルトゥナートから1分43秒遅れの区間4位でフィニッシュ。総合勢の中では、もちろん1等賞だった。
イェーツは11秒差に甘んじたが、それ以外の総合ライバルからのタイム回収は成功した。またカルーゾとジュリオ・チッコーネは両者とも「ひたすら自分のペースで走った」ことが功を奏し、ベルナルから39秒遅れで被害を最小限に食い止めた。ダニエル・マーティンは44秒差、エマヌエル・ブッフマンは46秒差。昨秋スペインの魔の山アングリルを勝ち取ったヒュー・カーシーは、イタリアの魔の山では54秒もの遅れを喫した。
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