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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第13ステージ】5年前の悔しさを晴らす待望のグランツール区間初勝利!ニッツォーロ「自分に勝てるポテンシャルがあることは、ずっと分かっていた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「今日は負けるリスクをあえて冒した。遠くから飛び出した。それこそが僕を勝ちへと導いた。それに、誰かを追いかける、という動きが僕には良かったんだと思う」(ニッツォーロ)
残り300mで道路左端の塊の中から、フェルナンド・ガビリアが加速したのを察知するや、ニッツォーロはすぐに軌道変更して背後に入り込んだ。それから残り150mで、今度は、右端を突き進むアッフィニの背中へと向けてジャンプした。
「できる限りぎりぎりの距離でアッフィニをとらえるよう心がけた」(ニッツォーロ)
50mまで後輪に留まり、残り20mで横に並び、そしてとうとう追い抜いた。今ステージ出走全164選手中、正真正銘1番目で、ニッツォーロがフィニッシュラインを越えた。
今ステージが初めてのグランツール区間勝利だが、実はフィニッシュラインを先頭で駆け抜けたことなら、1度だけある。2016年ジロ最終ステージの、12人による小さな集団スプリント。「斜行」で他の選手の進路を妨害したとして、1位から12位へと降格処分が下された。あの日のニッツォーロは「今日は自分こそが最速だったことを知りながら、家に帰るんだ」と、悔しさをにじませたままポイント賞表彰式に臨んだものだ..。
フィニッシュ後に右手を掲げるジャッコモ・ニッツォーロ
「あの日の勝利は、僕のものだと思っていた。でも審判の判断は異なった。あの後だって何度も、勝てる、という状況はあったさ。でもいつもミスを犯してしまった。それでも、自分に勝てるポテンシャルがあることは、ずっと分かっていた」(ニッツォーロ)
所属チームのクベカ・アソスにとっては、第11ステージに次ぐ嬉しい2勝目。また初々しい喜びが多く見られる2021年ジロで、なんと9人目のグランツール初勝利選手となった。
「喜ぶべきなのかがっかりすべきなのか分からない」 と戸惑うアッフィニは、第1ステージの個人TTに次ぐ、今大会2度目の区間2位。発射台を見失い、10位で終えたエースのフルーネウェーヘンは、自身のSNSにて今区間限りのジロ離脱を発表した。きっちり3位に食い込んだサガンは、ポイント賞首位を堅守。結果的にニッツォーロの発射台となったガビリアは5位。ラスト1kmは「サドルなし」の状態で走っていた。そしてヴィヴィアーニは9位で、夢の1日を終えた。
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