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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第13ステージ】5年前の悔しさを晴らす待望のグランツール区間初勝利!ニッツォーロ「自分に勝てるポテンシャルがあることは、ずっと分かっていた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかおかげでジロ初出場のダヴィデ・ガッブロは、フィニッシュ手前21kmに迫っていたというのに、地元通過を思う存分楽しむことができた。第10ステージで激しく落車しいまだ全身傷だらけの28歳は、集団前方で沿道の声援にたっぷりと応えた。
残り8.5m、クベカが集団最前列で隊列を組み上げ、猛烈にスピードを上げる。集団はついに勝負モードへと切り替わった。残り7kmで朝からの逃げ3人を回収しつつ、2021年ジロ・デ・イタリア5度目の、そして(もしかしたら)最後の集団スプリントへと、全速力で突き進んだ。
「先頭を奪ったのは、ロータリーが多かったせいなんだ。かなり早い動きだったけど、最終盤を問題なく、安全に切り抜けたかった。それが上手く行った」(ニッツォーロ)
そう、ラスト3kmにはひとつもカーブがない代わりに、いくつか大きなロータリーが待ち受けていた。緩やかな出入りを繰り返すうちに、結束力が乱れたチームも多かった。その筆頭がユンボ・ヴィスマ。残り1km地点までは3人でしっかり連結していたにも関わらず、残り700m、最後のロータリー突入時にライバルたちに次々と割って入られ、抜け出す頃には..ディラン・フルーネウェーヘンは10番手ほどに沈んでいた。一方の発射台エドアルド・アッフィニは、最前列を突っ走っていた。しかも全速力で!
アッフィニとニッツォーロに一騎討ち
「猛スピードの中、どこも先頭に出ようと競り合っていた。そしてラスト700mで、僕は抜け出すスポットを見つけたんだ。だから前に出た。ディランのために。でも気が付いたら後ろには誰もいなかった!どうしたらいいのか一瞬分からなくなった」(アッフィニ)
「そのまま行けーー」との無線の声で我に返ったアッフィニは、フルスピードで前進を続けた。ただ一瞬もためらうことなく、はるか後方から、ニッツォーロが猛烈に追いかけてきた。残り400mで、全身に風を受けるのも構わずに。フィニッシュラインではなく、少し先を突き進むライバルを「照準」に定めて。
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