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サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかフィニッシュ後のジャッコモ・ニッツォーロ
起伏もなく、風もなく、危険なカーブもなく。2日連続で激しいバトルを繰り広げた選手たちにとっては、絶好の骨休めとなった。スタート直後にサムエーレ・リーヴィ、ウンベルト・マレンゴ、そしてシモン・ペローのいわゆる「常連」3人の飛び出しを見送ると、メイン集団内ではのんびりとした時が流れた。
しかもプロトン前線では、序盤20km以上にも渡って、ベルギー3人衆..つまりドリース・デボントとトーマス・デヘント、ヴィクトール・カンペナールツがおしゃべりに花を咲かせた。2つ目の中間ポイントでの出来事を考えると、もしかしたら、ちょっとした悪巧みの相談だったのだろうか。
スタートから30km近く走り、タイム差が7分に開いてから、ようやくスプリンターチームが牽引作業に乗り出した。真っ先に集団先頭へ人員を送り出したのはコフィディス。なにしろエーススプリンターのエリア・ヴィヴィアーニは、前日、東京五輪開会式でのイタリア選手団旗手に指名されたばかり。しかも2016年五輪オムニアム金メダリストにとって、この日のフィニッシュ地ヴェローナはまさに地元。つまり五輪旗手、地元、そしてど平坦という3つの条件が重なった「夢のような1日」を、絶対に勝利で締めくくりたかった。
しばらく先でユンボ・ヴィスマとUAEチームエミレーツ、さらにはクベカ・アソスも1人ずつ牽引要員を提供した。ただ、あくまでも、淡々と制御に務めた。逃げ集団には、最大8分近いリードを許した。
おかげで前を行く3人は、思う存分、副賞バトルを繰り広げた。特に5度目の逃げとなるペローとマレンゴは、中間スプリント賞とフーガ賞でそれぞれ1位と2位につけている。3度目のリーヴィだって、順調に得点を積み重ねていた。
こうして1度目の中間ポイントでは、スプリント苦手なペローがとてつもなく遠くから仕掛けた。しかし他の2人に追いつかれ、あえなくマレンゴに1位通過をさらわれた。するとペローは、入れ替わるように、独走へと打って出た。逃げ距離を稼ぐ作戦だ。最終的には17km先でライバル2人に捕らえられるが、フーガ賞ランキングには、望み通りこの数字が反映された。
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