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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第11ステージ】総合ライバルに新たなタイム差を突きつける圧巻のアタック劇!ピンクのエガン・ベルナル「この先も両足を地につけて、戦い続ける」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかそこではイネオスは動かなかった。代わりにレースを激化させたのはアスタナ・プレミアテック。ジョージ・ベネットが総合18位トビアス・フォスを連れて一時的に飛び出したのを横目に、ルイスレオン・サンチェスが厳しいテンポを刻む。エヴェネプールは最後尾付近を、まるでヨーヨーのように行ったり来たり。
「2つ目のセクターはすごく苦しかった。そして、3つ目で、また分裂が始まった時、もはや脚は空っぽのように感じた」(エヴェネプール)
3つ目はまたしてもイネオスが大鉈を振るう。第9ステージの未舗装激坂でもとてつもない牽引を披露したジャンニ・モスコンが、破壊的な加速に転じる。エヴェネプールはたまらず後方に吹き飛ばされた。あまりのカオスのせいか、集団に留まっていたジョアン・アルメイダの救出に駆けつけるタイミングが遅れたり、一旦は先に行かせてまた呼び戻したり。少々のごたごたの末に、2人は被害を最小に食い止めるための、長く苦しい追走の旅にでる。
最終4つ目の未舗装路の突入時には、メイン集団はいまだ21人残っていた。あらゆる方面から攻撃が巻き起こった。総合12位マルク・ソレルが下りで加速し、ウラソフもアタックを繰り出した。3人残すEFエデュケーション・NIPPOは、すでに疲弊しきった集団に、非情な速度を強いた。やはり2人が留まったバーレーン・ヴィクトリアスも、精力的に前を引く。未舗装路を出る頃には、集団は15人にまで小さくなり、ベルナルはすべてのアシストを剥ぎ取られていた。
その直後だ。総合勢たちの中から、エマヌエル・ブッフマンが急坂を利用して飛び出した。1分47秒遅れの総合15位を「少し泳がしても大丈夫」と判断したベルナルは、しばらくはEFに仕事をさせておいた。カーシーやウラソフの加速には、厳しく目を光らせた。そしてフィニッシュ手前3.8km、山頂間際で、満を持してピンクの衣がアタック。すぐにブッフマンと合流すると、そのまま猛然と突き進んだ。
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