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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第11ステージ】総合ライバルに新たなタイム差を突きつける圧巻のアタック劇!ピンクのエガン・ベルナル「この先も両足を地につけて、戦い続ける」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかはるか後方のイネオス隊列は、未舗装路ギリギリまで速度を上げなかった。むしろのろのろペースで、入念すぎるほどのポジション取りを行ってから、突入直前に突如として恐ろしい猛攻に転じた。
「スタート前から、最初のセクターには先頭で入ること、そのままセクター全体を全速力で突進することに決めていた。だって下りを厳しい速度で走れば、後方の選手は、前についていくのがきつくなるからね」(ベルナル)
埃の中を走る選手たち
やはり東京五輪でイタリア代表として団体追抜出場予定のフィリッポ・ガンナが、ベルナルを後輪に乗せ最前列で突っ込んだ。集団に凄まじいスピードを強いた。くねくねと曲がりくねる白い道の上で、プロトンは細く長くのび、ところどころで亀裂が生まれていく。そしてグラベルセクター中盤からの長い下りで、ついには集団が完全に割れた。
9.1kmの長い砂煙を抜け出したとき、ベルナルの周りに残っていたのは20人ほどだけだった。なんと総合トップ10のうち7人が後方へと置き去りにされ……中でも総合2位レムコ・エヴェネプールが遅れていた!
実はエヴェネプール側の計画も、やはり「最初のセクターには先頭で入ること」だった。だから指示通りにTT巧者レミ・カヴァニャがガンナとポジションを奪い合い、牽引役自身は、ほぼ横並び先頭で最初の未舗装路に突入していたのだが。
「でもレムコは僕の後輪にいなかった。だから少し減速するしかなかったし、その隙にイネオスはさらに締め付けを強めた。そこからはひたすら遅れを取り戻すために走るしかなかった」(カヴァニャ)
1つ目の白い道を抜け出した時点で、エヴェネプール集団の遅れは約25秒。ただ幸か不幸か、遅れた選手が多かったせいで、追走にはそれほど手間取らなかった。総合3位アレクサンドル・ウラソフや総合6位ヒュー・カーシーのアシストたちも協力してくれた。おかげで15km先の2つ目の未舗装路が始まる前に、無事に合流を成功させた。
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