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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第10ステージ】ペーター・サガンが見事な走りで区間勝利!マリア・チクラミーノに袖を通し「この勝利には本当に満足している」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかだからこそ中間ポイントから1kmほど先の踏切で、遮断器が下り、1分近く足止めを食らったのは痛かった。UCI国際自転車競技連合のルール(2.3.035)では、「30秒以上のリードをつけている逃げ選手/集団が踏切で停止し、遮断器がいまだ閉まっている時点で他のグループに合流された場合、同じタイム差を保持したままレース再開されなければならない」と定められている。その時点で5人は2分45秒差をつけていたが、遮断器が閉まっている間には追いつかれなかったから……つまりメインプロトンは停止する必要はなかった。踏切が開いた後、まるでなにもなかったかのようにレースは再開された。プロトンとの差は1分半に縮まっていたというのに!
その後、再び、タイム差は最大2分15秒にまで広がる。ただこの事件さえなければ、5人の逃げ距離はあと数キロ延びていたかもしれない。「フーガ賞」だって大切な賞だ。最終的な逃げ距離はペロー96km、マレンゴ86kmに留まった。それぞれが総合1位408km、2位388kmにつけている。
ただし逃げる5人にとどめを刺したのは、ボーラ・ハンスグローエだ。そこまで姿を潜めていたサガン親衛隊が残り60km、突如としてプロトン最前列に詰めかけると、猛烈なスピードアップへと転じた。4級峠を含む軽い起伏を利用して、「ピュア」スプリンターたちを吹き飛ばす作戦だ!
「道がハードな方が、僕の勝機は高まる。最初のスプリントステージはひどく平坦で、その次はリズムがかなり遅かった。ユアンが2勝目を上げた日は、僕も調子が最高に良かったけれど、フェンスに接近しすぎた。落車しなくて幸運だったよ。そして今日は、本当に、僕の脚質に向いていたんだ」(サガン)
小さな丘で真っ先にディラン・フルーネウェーヘンが千切れた。4級山岳の途中で逃げ集団を回収しつつ、数日前から体調不良にあえぐ第2区間覇者ティム・メルリールを後方へと突き離した。同じ山道でフェルナンド・ガビリアの発射台マキシミリアーノ・リケーゼが落ち、ついには今大会2位x2回のジャッコモ・ニッツォーロが遅れ……。
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