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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第7ステージ】壮大な夢を掲げるカレブ・ユアンが区間2勝目でマリア・チクラミーノ獲得「最後には脚が悲鳴を上げた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか圧巻の走りで区間2勝目をあげたユアン
「チームは本当に素晴らしい仕事をしてくれた。僕にとって最も重要だったのは、前方で上りに入り、自分のペースで上ること。そうすれば体力を温存できるから。もしも後方から上がっていかなければならない場合、スプリントの力が削がれてしまっただろうからね」(ユアン)
ロット発射台が理想通りの働きを実現し、前を行く2人をとらえたタイミングだった。いまだフィニッシュラインまで500m近くも残っていたというのに、しかも発射台2人が側についていたというのに……フェルナンド・ガビリアがとてつもないロングスプリントに打って出た!
たしかに2016年パリ〜トゥールでは500mの賭けを成功させているし、2020年ジロ・デッラ・トスカーナでも、長い加速でライバルをまとめて置き去りにした。この日も一瞬で大きな空間ができた。今度こそはユアン自らが動いた。
「もしも飛び出したのが他の誰かだったら、おそらく少し待っただろう。それにガビリアは一直線に猛スピードで突き進んでいったからね。僕は戦略的に立ち回らなきゃならなかった。いきなり最初から全力で加速するつもりはなかった。ほんの少し、距離を残しておいた」(ユアン)
あえてほんの少し開けていた距離を、残り150mで一気に縮めると、ユアンはスリップストリームを利用してそのまま最前列へ飛び出した。「以前よりはエアロポジションをとらなくなった」とは言うけれど、やはり人一倍低い姿勢で前方へと突き進み、2位以下を大きく突き放してフィニッシュラインを越えた。
第5ステージに続く今大会2勝目を手に入れたユアンは、ポイント賞でも2位ティム・メルリールを23pt引き離し首位に立った。グランツール区間11勝にして、なんと生まれて初めてのグランツールのポイント賞ジャージ。ただ2021年は「史上4人目の同一年3大ツール全区間勝利」「しかもヨーロッパ人以外初」という壮大な野望を抱く26歳は、ジャージ保守は考えてはいない。「ツール・ド・フランスに向けた準備にベストを尽くす必要がある」ため、予定通り最初の休息日前後にスーツケースをまとめるつもりのようだ。
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