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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第7ステージ】壮大な夢を掲げるカレブ・ユアンが区間2勝目でマリア・チクラミーノ獲得「最後には脚が悲鳴を上げた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかリラックスした時間が流れた。ほんの24時間前には雨と起伏の中で猛烈に戦ったジュリオ・チッコーネとダリオ・カタルドには、生まれ故郷の道を走りながら、おかげで沿道の見知った顔に手をふる余裕がたっぷりあった。22歳ヴァルテルも、ピンク色の午後を満喫した。
マリア・ローザ
「天気が良くて本当にラッキーだったし、ナーバスなステージにならなくてハッピーだ。沿道のファンたちが僕の名前を呼ぶ声も聞こえた。信じられないような気分だったよ」(ヴァルテル)
唯一、1つ目の中間ポイントだけは、メインプロトン前方が騒がしくなった。クベカが3km以上前から仕掛け、ライバルチームを慌てさせた。ただし最終的に上手くやったのはボーラ・ハンスグローエで、ダニエル・オスに導かれたペーター・サガンが集団内で先頭通過を果たした(全体の4位通過)。ちなみにユアンは一切興味を示さなかった。また、もう1つの中間ポイントは、誰ひとりとして動かなかった。
アドリア海の淡い青を眺めながら、ゆっくりとプロトンは逃げを追い詰めていった。そして今大会いまだ逃げる機会のないトーマス・デヘントの、牽引距離が150kmを越えるころ、3人は大きな塊に飲み込まれていった。フィニッシュまで17km。静かな1日にふさわしく、なんの抵抗も見られなかった。
集団がひとつになった直後に、雰囲気はガラリと変わる。プロトン内には急速に緊迫感が充満していく。いよいよ待ちに待ったレースの始まりだ!
スプリンターチームも総合チームも隊列を組み上げ、集団前方で熾烈な場所取りを繰り返した。最終5kmに入るとロータリーやカーブがいくつも襲いかかった。前区間の結果を経て総合争い終了宣言を出したユンボが最前列を突っ走り、コフィディスやアンテルマルシェ・ワンティゴベール・マテリオも割り込みを仕掛けた。ロット隊列は常にユアンを背後に従えて、好ポジションを保ち続けた。
残り1.5km前後には、右直角カーブと勾配12%の短い坂も待っていた。ここでもまたロットが、先頭でペースを刻んだ。フランチェスコ・ガヴァッツィがアタックを仕掛け、オスが飛びついた時にも、ユアン発射台のジャスパー・デブイストが、急加速することなく一定ペースできっちりと穴を埋めた。
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