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サイクル ロードレース コラム 2021年5月14日

【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第6ステージ】22歳ヴァルテルが生まれて初めてのマリア・ローザを射止めた「僕には山をこなせる脚がある。人生をかけて戦った」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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モホリッチの強力な牽引で、スタートから22km、ついにエスケープが完成する。バーレーン2人組の企みに飛び乗ったのはジミー・ヤンセンス、シモン・グリエルミ、ダリオ・カタルド。メイン集団が蓋を閉める前に、シモーネ・ラヴァネッリも飛び出した。

ほんの数キロ先で、やはり1つ目の大集団メンバーだったバウケ・モレマとジョフリー・ブシャールも、再アタックを決意する。ただしラヴァネッリがあっさり追いついた一方で、後発2人は30km以上もの追走を余儀なくされた。やはりモホリッチが脚を緩めなかったせいだ。

残り100kmほどでようやく先頭8人が合流した背後では、イスラエルがタイム差制御に努めた。総合3分58秒遅れのマーダーを警戒し、リードは最大5分半しか与えなかった。激しい雨の中、その後も黙々とマリア・ローザを守り続けた。

しかしステージ中盤に連なる山ーー2級と3級ーーを利用して、イネオスが突如として集団前方を奪い取る。2つの山頂をつなぐ尾根には、強い風が吹き抜けていた。本来の計画はベルナル曰く「タイムを失わないよう、保守的に走ること」だったが、この風にチャンスを感じ取った。

逃げに乗れなかった代わりに、ガンナがここぞとばかり強烈なテンポを強いた。風になどびくともしない巨躯が、集団を非情にも引き裂き、2日前にそのガンナからマリア・ローザを奪い取った張本人は、いつしか後方へと吹き飛ばされた。2つ目の山頂にたどり着く頃には、デマルキの遅れはすでに1分以上にも達していた。1日の終わりにはピンクの衣を脱ぎ、23分20秒遅れの58位へと後退した。

イネオスの猛加速で、逃げる8人とのタイム差も急速に縮まった。残り60km、やはり2つ目の山頂で、もはや余裕はたったの2分半。しかし、ここでも、モホリッチの献身が光る。競技ルールの改正により……トップチューブに腰を下ろしたままペダルを回す、いわゆる「モホリッチ乗り」こそ封印されたが、プロトン屈指の名ダウンヒラーであることに変わりはない。続く40km以上ものダウンヒルで、逃げの半分が消えていった一方で、モホリッチはマーダーを背後に従え、安全かつ最適な軌道を描き続けた。

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