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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第6ステージ】22歳ヴァルテルが生まれて初めてのマリア・ローザを射止めた「僕には山をこなせる脚がある。人生をかけて戦った」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかマリア・ローザのアッティラ・ヴァルテル
本懐達成。前夜チームのためにステージ優勝を誓ったジーノ・マーダーは、フィニッシュまで全力で逃げ切り、マリア・ローザ獲りを胸に秘め今区間に臨んだアッティラ・ヴァルテルは、母国ハンガリーに史上初のグランツール総合リーダージャージをもたらした。一方で予定を急遽変更し、攻撃に転じたのはイネオス・グレナディアーズ。行軍の指揮を取ったエガン・ベルナルは、全ライバルからわずかながらタイムを奪った。
「昨日は悲しい1日だった。落車でミケル(ランダ)を失ってしまった。だから今日は、ミケルの名誉のために走ろう、そうチームのみんなで決めたんだ。こうして努力が報われて、心から幸せだよ」(マーダー)
すさまじいアタック合戦で、今大会初の山頂フィニッシュステージは幕を開けた。大量の選手が飛び出した。一時は20人近い選手が前方へ遠ざかった。しかし総合でわずか1分37秒遅れのアルベルト・ベッティオルに加えて、フィリッポ・ガンナやレミ・カヴァニャといったプロトン屈指の強脚が紛れ込んでいたものだから……慌ててイスラエル・スタートアップネーションが回収に走った。マリア・ローザのアレッサンドロ・デマルキが、「総合3分以内の選手は逃さない」と宣言していたからだ。
誰も簡単には諦めなかった。中でもすでに最初の大集団に参加していたマーダーが、繰り返し加速を試みた。第5ステージ終盤の落車で、総合エースのランダが即時帰宅を余儀なくされたが(同時に落車した2人、ジョセフロイド・ドンブロウスキーとフランソワ・ビダールも今区間不出走)、マーダーもバーレーン・ヴィクトリアスも、決して失意の底に沈み込みはしなかった。数度あえなく後方に引きずり降ろされたが、最後の試みが上手くはまった。同僚マテイ・モホリッチと共に、タンデムさながらに飛び出したのだ。
「チームは新たな目標を定めた。アグレッシブに走ろう、総合争いとはまた別のやり方でレースに参加しよう、と。それにマテイが僕を信じてくれた。昨日の夜、『今日は君が勝ちに行くステージだ』と、言ってくれたんだ」(マーダー)
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