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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第3ステージ】圧巻の逃げ切り勝利!初のグランツール区間勝利を掴んだタコ・ファンデルホールン「なんてこった!俺はやってのけたぞ!」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか背後のプロトンも、たしかに動いた。トニー・ガロパンが弾かれたように飛び出し、ジュリオ・チッコーネもぴたり後輪に張り付いた。ただ「集団をバラバラにできるような地形だったのに、予想していたほど動きがなかった」と前者が振り返ったように、企みはこれっきり。
上りきった時点で、ペロー&ファンデルホールンのマイヨ・ジョーヌ経験者コンビに対するリードは15秒、プロトンに対するリードは30秒。このタイム差は縮まるどころか、再び広がるのだ。なにしろファンデルホールンは、つい1ヶ月半前のミラノ〜サンレモでエスケープに乗り、最後まで1人粘り続け、結局270kmも逃げた男だ。しかもプロ人生の3勝のうち2勝が、まさに平坦コースでのエスケープの果てのぎりぎり逃げ切りだったから、おそらくこんな状況には慣れていた。ペローの疲れを察知するや、残り8.8km、ついに独走体制に入った。
フィニッシュ直後に歓喜の表情を浮かべたタコ・ファンデルホールン
「フィニッシュまで逃げ切り、ステージを勝つのは、すごく難しいことだと分かっている。でも、たとえ1%、いや、0.5%であれ、チャンスとしては十分だ。そのチャンスを僕はつかみにいく。ペローを振り落とした直後に、無線でタイム差を告げられた。いまだ40秒差。フィニッシュラインまで全力で突き進んだ」(ファンデルホールン)
残り5kmまで来ても、ガロパン&チッコーネとの差はいまだ22秒あった。追走者のモチベーションを挫くのには、十分なタイム差だった。
「足の調子は良かったし、チッコーネとの協力体制は悪くなかった。ただ最終盤は向かい風が強かった。僕らは先頭交代の間隔を短くして凌いだけど、前の1人はとてつもなく強かった。残り5kmになった時点で、ああ、これはもはや2位争いだな、と悟ったら、途端にペダルに力が込められなくなった」(ガロパン)
その頃になってようやく、メイン集団にスプリンターを残すUAEチームエミレーツやコフィディスが、慌ててスピードアップに協力し始めた。イスラエル・スタートアップネーションも最前線に加わった。途中でガロパンとチッコーネを回収し、最終発射台たちが捨て身で前を引っ張ったが、残り1kmでもファンデルホールンはいまだ15秒先を走っていた。
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