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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第3ステージ】圧巻の逃げ切り勝利!初のグランツール区間勝利を掴んだタコ・ファンデルホールン「なんてこった!俺はやってのけたぞ!」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか後方のメインプロトンは最初から少し消極的だった。雨のせいか、それともピュアスプリンターには難しすぎる地形のせいか。集団制御に名乗りを上げるチームがすぐには現れなかった。マリア・ローザ擁するイネオス・グレナディアーズはまるで動こうとせず、最終的に作業に取り掛かったのはボーラ・ハンスグローエ。区間の大本命と目されていたペーター・サガンのために、残り160km地点から責任を一手に引き受けた。
いつしか雨は止み、山岳ポイントの待つ起伏地帯と足へ踏み入れると、逃げ集団ではエオーロのリーヴィがさらに精力的にリズムを刻んだ。チームメートの働きに応えるため、アルバネーゼは山頂スプリントでライバルたちをねじ伏せた。全部で3つある山岳のうち序盤2つで先頭通過を果たし、さらにはリーヴィが力尽きた3つ目の山でも3位通過でポイントを収集。2日連続の努力が実り、あと少なくとも1日は、マリア・アッズーラ姿で過ごすことができる。
この3つ目の山頂、つまりフィニッシュまで残り36.2km地点で、タイム差は1分半。5人に人数を減らした逃げ集団は、いまだ協力しあって前方へ突き進み、後方では相変わらずボーラだけが6人体制で追走を仕掛けていた。前区間覇者ティム・メルリールやカレブ・ユアン、ディラン・フルーネウェーヘン、ジャコモ・ニッツォーロ等々の俊足ライバルを後方へ突き落とすことには成功したものの、手持ちのアシストたちの脚も間違いなく削られていく。
残り17.5km。最後の出っ張りがやってきた。山岳カテゴリーには指定されておらず、むしろ頂上には中間ポイントが設置されていたのだが、勾配15%ゾーンさえ待ち構えるいわゆる激坂だ。「何かが起こる」と、多くの関係者たちが口を揃えていたこの坂で……効果的な動きを見せたのもまた、逃げ集団だった。ペローが真っ先にアタックを打ち、そこにファンデルホールンが共鳴する。上りはクライマーのスイス人がペースを作り、下りはルーラーのオランダ人が牽引を請け負った。
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