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サイクル ロードレース コラム 2021年5月10日

【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第2ステージ】同郷の亡き友に捧ぐ《W》の文字。初勝利のティム・メルリール「彼にこの勝利を捧げることが出来て、心から嬉しく思う」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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ウェイラントの命を奪ったのは、下りの単独事故だった。昨8月のツール・ド・ポローニュでは、ディラン・フルーネウェーフェンが集団スプリントで事故の起点となった。大怪我を負ったファビオ・ヤコブセンはこの4月に晴れてプロトン復帰を果たし、フルーネウェーフェンも出場停止処分明けの初戦ジロで、初めてのスプリントを争った。4年前のシャンゼリゼ勝者は一度踏み止めてしまったせいもあり、結果は4位。

「9ヶ月の空白を経ての4位という結果には、満足すべきなんだろうね。でもやっぱり少しがっかりしている。もっと早く飛び出すべきだったのかもしれないし、もしかしたら、もう少しためらわず行くべきだったのかもしれない。かつての感覚と、自信とを、取り戻さなきゃならない」(フルーネウェーフェン)

その背後でガビリアが落車しなかったのは幸いだった。メルリールの加速に合わせて、唯一右側に突破口を求めた。反応直後の速さだけなら、あらゆるライバルを上回っていた。しかし自らの発射台フアン・モラノに行く手を阻まれた。そのままフェンスと接触。失速を余儀なくされた。

ちなみにフェンスは衝撃等で動かないよう固く連結され、さらにラスト400mは隙間のないよう広告パネルが張り巡らされていた。もちろんこの最終区間に限って、脚がコース側に出ないタイプのフェンスが使用されている。これはUCI国際自転車競技連合が定める……そして前述のツール・ド・ポローニュ事故を受け2021年4月1日付で強化された安全ルール(2.2.017条)に則ったもの。だからこそ堅固なパネルに身体をこすりつける羽目にはなったものの、ガビリアは引っかかったりぐらついたりすることもなく、落車を回避できた。周囲を高速で走る選手たちが、巻き込まれることもなかった。

全183選手中177人が同タイムでフィニッシュラインを越え、ガンナが予定通りに2日目のマリア・ローザ表彰台に臨んだ。途中回収したボーナスタイム3秒のおかげで、総合2位エドアルド・アフィーニとのタイム差は13秒に拡大した。そのアフィーニは大会2日目をマリア・チクラミーノで過ごしたが、キング・オブ・スプリンターの証は、区間覇者メルリールの手に渡った。つまり3日目のアフィーニは、ガンナがもう1枚保有するマリア・ビアンカを借りて、走ることになる。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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