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【Cycle*2021 フレッシュ・ワロンヌ:レビュー】現役世界チャンピオンのアラフィリップが3度目の大会制覇「もう1度ここで勝ちたいと本気で願っていた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「チームメートのおかげで、僕は必要な時に、必要な場所にいられた。フラムルージュ直前には、(ミッケルフレーリク)ホノレが僕を最前列まで連れて行ってくれた。しかもそのまま彼は前進を続けたから、他チームはテンポを上げる必要に迫られたというわけ」(アラフィリップ)
かつて少々早く仕掛けすぎた男たち、マイケル・ウッズやダヴィド・ゴデュ擁するイスラエル・スタートアップネイションやグルパマ・FDJ、もしくは最後の伸びが足りなかった男ブノワ・コスヌフロワのAG2Rシトロエンも、終盤にチーム一丸となり仕事に取り組んだ。
ユイの壁
さらには壁の中盤まで先頭に4人も残していたイネオス・グレナディアーズから、かつて……やはり早めに仕掛けて3位の経験を持つミハウ・クフィアトコフスキが、先頭でユイを上り続けた。ただ英国軍には不測の事態が発生していた。1週間前のブラバンツ・ペイルでプロ初優勝を飾り(ちなみにディフェンディングチャンピオンのアラフィリップは「体力回復」のため、あえてタイトル防衛に向かわなかった)、3日前のアムステル・ゴールドレースはハンドルを投げあった末のフォトフィニッシュで2位に泣いたトーマス・ピドコックが、レース最終盤で地面に転がり落ちてしまったのだ。
残り350mで……いや、むしろいまだに350mも残した時点でログリッチが思い切って前に飛び出した時、真っ先に追いかける姿勢を示したのがこのピドコックだった。ただ落車からの集団復帰にさすがの21歳も体力を消耗したのか、あくまで示せたのは「姿勢」に過ぎなかった(最終的に6位)。
一方のアラフィリップは、自らの意思で、すぐには動かなかった。初出場2015年と2016年はバルベルデの残り150mの加速に反応し2位、2018年と2019年は早めに仕掛けた選手を250mから追いかけ、一旦とらえた後に後輪で休んでから再発進……というやり方で1位。つまりフレンチパンチャーにとって、ログラ先行はまさに理想的な形だった。
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