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サイクル ロードレース コラム 2021年4月22日

【Cycle*2021 リエージュ~バストーニュ~リエージュ:プレビュー】41歳の誕生日を迎えるバルベルデにとっては最後のラ・ドワイエンヌ(最古参)になるか...無敵男の勇姿に刮目せよ!

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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美しい景観

一昨季はここをフィニッシュに見立てて全力で駆け上がったヤコブ・フルサンが、そのまま独走勝利をもぎ取った。昨大会はこの坂で5人に絞り込まれ、最終的に小さなスプリントでジュリアン・アラフィリップが両手を上げ(5位降格)、ハンドルを投げたプリモシュ・ログリッチが勝利を手に入れた。2021年大会もこの因縁の3選手--前者2人は2019年アルデンヌ3戦で対決を繰り広げ、後者2人は水曜日のフレッシュ・ワロンヌでも上位2席を独占--が、戦いを盛り上げてくれるはずだ。

もちろんマテイ・モホリッチのやり方を参考にする選手だっているだろう。昨大会ラ・ロシュ・オ・フォーコンを抜けた先の平地&下りを利用して、単独で追い上げると、最終ストレートで先頭集団をとらえ4位に食い込んでいる。一方で昨季2位と3位に食い込んだマルク・ヒルシとタデイ・ポガチャルは、果たしてスタートラインに並ぶことができるだろうか。今年は同じUAEのジャージを来て走る2人は、チームメンバーにPCR陽性が出たとして、無念にもフレッシュ・ワロンヌは出走できなかった。

サンレモから石畳→アルデンヌと主要クラシックのすべてに出場し、トップ6入3回と驚異の高平均点男マイケル・マシューズの最終成績も楽しみだし、カラパス、クフィアトコフスキー、Aイエーツ、ゲイガンハート..と、相変わらずとてつもなく豪華な面子で挑むイネオスのチーム戦からも目が離せない。

今からちょうど10年前に同一年アルデンヌ3戦全勝の快挙を成し遂げたのは、フィリップ・ジルベールだった。この夏38歳になる元世界王者は、この4月中旬、「2022年末での引退」を示唆した。すると地元っ子のために、ファンクラブが「Phil」の文字をラ・ルドゥットにびっしりと書き込むのも、あと2回となるのかもしれない。

そして同大会で現役最多4勝を誇るアレハンドロ・バルベルデは、シーズン開幕時の宣言通りならば、この2021年大会が人生最後のリエージュとなるはずなのだけれど..。

「30歳の時と同じ脚がある」と語ったエル・インヴァティド(無敵男)は、水曜日のフレッシュ・ワロンヌで人生8度目の表彰台に上り、稀有な才能を改めて見せつけた。その直後には「これが最後なのか、それともあと1年続けるのか、分からない」なんて思わせぶりなセリフさえ口にした。

ただひとつ確実なのは、リエージュ当日、バルベルデが41歳の誕生日を迎えることだけ。あと1つ勝てば、エディ・メルクスの持つ史上最多5勝に並ぶ。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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