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【Cycle*2021 リエージュ~バストーニュ~リエージュ:プレビュー】41歳の誕生日を迎えるバルベルデにとっては最後のラ・ドワイエンヌ(最古参)になるか...無敵男の勇姿に刮目せよ!
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか2020年大会のフィニッシュシーン
春クラシックシーズンの締めくくりは、いつだってリエージュ〜バストーニュ〜リエージュと相場が決まっている。新型コロナウイルス感染拡大で分断されてしまった昨シーズンは、秋の、しかも石畳クラシック前..という奇妙な時期に配置されてしまったが、無事に定位置を取り戻した。1892年から自転車乗りたちの戦いを見守ってきた「ラ・ドワイエンヌ(最古参)」が、この春も、威厳ある勝者を選び出す。
リエージュからバストーニュへと南下し、折り返して再びリエージュまで北上する全長259.1km。行く先には11の坂道と、第2次世界大戦で兵士たちを苦しめたアルデンヌの森に潜む、幾多のアップダウン。激戦地バストーニュまでのコース前半に大きな上りは1つしか登場しないが、約100km地点で折り返し、走行距離が150kmを過ぎた頃から、選手たちは本物の激戦へと放り込まれる。
つまり残り95kmモン・ル・ソワから残り76kmオート・ルヴェまでの4連続登坂が、今年も最初のふるい分けを行う。中でも3番目に位置するストクーは、登坂距離こそ1kmと極めて短いものの、平均勾配12.5%と爆発的な努力を要する。しかもてっぺんに史上最強の自転車選手エディ・メルクスの石碑が建つこの坂は、下りも細く難解だ。
続いて距離が最も長いロジエ坂(4.4km、平均勾配5.9%)をこなしたら、いつものマキザー坂(3km、5.1%)の代わりに、今年はデニエ坂(1.6km、8.1%、最大9.8%)を拝借する。短いながらも勾配のきつい新入りが、歴史の長い一戦に、新しい流れをもたらしてくれるだろうか。
伝統に則れば、勝利へ向けたアタック合戦が始まるのは残り35.3km地点ラ・ルドゥット(2km、8.5%、中盤に500mの13%ゾーンあり)。2年前に復活したフォルジュ坂(1.3km、7.8%)もまた、戦いの激化を後押しする。
しかし今年もおそらく、最後の鉄槌を振り下ろすのは、フィニッシュ手前13.4kmにそびえ立つラ・ロシュ・オ・フォーコンだろう。全長1.3km、平均勾配11%、最大13.2%の坂道は、2008年に組み込まれた比較的新入りながら、今やすっかり欠かせない「審判の地」となった。特に一昨季からフィニッシュ直前のサン・ニコラ坂が姿を消し、フィニッシュ地もアンスの上り坂からリエージュ市街地の平地に移行したため..ここで仕掛けねばもはや後はない。
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