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「チームの第一目標は、ここ、地元でのオープニングステージを制すること。今朝下見をしたときから、全員で勝利だけに集中してきたんだ。誰が1番にフィニッシュラインを越えるのか、特に指示はなかった。ただ最終盤は石畳で厳しいぞ、接線になるだろうからラストまで100%を尽くさなきゃならないぞ、とだけ考えて走ったんだよ」
こうしてカストロビエホが大会最初のマイヨ・ロホを身にまとった。しかもパンプローナが産んだツール5回総合優勝の大チャンピオンであり、1984年にプロ入りしてから1996年に現役を引退するまでモヴィスターの前身チーム(レイノルズ、バネスト)で変わらず走り続けてきた大先輩ミゲル・インドゥラインから、栄光のリーダージャージを手渡された。……チームメートであり、ディフェンディングチャンピオンのフアンホセ・コーボを押しのけて。
実のところ、コーボは石畳ゾーンでチームトレインからから遅れてしまった。ただ遅れはわずか。だからこそ他の5人は総合リーダーにお構いなく全速力で区間勝利を取りに行くことができたに違いない。最終的にコーボはチームメートから4秒遅れでゴール。すなわち他のあらゆる総合ライバルから6秒以上のリードを懐に入れたことになる(もちろん4秒前に隊列と共にゴールしたチームメートのアレハンドロ・バルベルデは除く)。すなわちラボバンクのロバート・ヘーシンクとバウク・モレッマから6秒、スカイ プロサイクリングのクリス・フルームとロット・ベリソル チームのユルゲン・ヴァンデンブロックからは8秒、チーム サクソバンク・ティンコフバンクのアルベルト・コンタドールから10秒、カチューシャ チームのホアキン・ロドリゲス〜デニス・メンショフ〜ダニエル・モレーノ3人組みから11秒のリードを奪った。
つまり、開幕から大いに注目されているコンタドール vs. フルームの、第1回戦は2秒差でフルームの勝ち。ただし6ヶ月ぶりにレース復帰したばかりで、グランツールは1年1ヶ月ぶりとなるコンタドールは、初日を無事に終えてほっと一息ついている様子だ。
「チームがどんな出来に仕上がっているのか、ちょっとハラハラしていたよ。長いこと一緒に走っていなかったし、たったの16kmとはいっても、グランツールにおいては毎日が非常に重要だからだ。でも、すごく、すごくいいタイムが出せた。チームメートは全力を尽くしてくれたし、モチベーションの高さを証明してくれた。本当に満足だよ」
また2年連続でスペイン一周に挑戦する全日本チャンピオン、土井雪広は、4人のチームメートと共にモヴィスターから59秒遅れでゴール。1年前のTTT13.5km@ベニドルムでは、最終盤にチーム隊列から千切れてしまったが、今年はチームの前から4番目できっちりと1日を終えている。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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