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こう語ったのはアルベルト・コンタドール(チーム サクソバンク・ティンコフバンク)。復活優勝を目論むヒルクライマーは試みをまんまと成功させた。2秒を懐に入れ、すなわち「最大のライバル」と期待されるクリス・フルーム(スカイ プロサイクリング)のタイムに並んだ。
「もしも明日、再びボーナスタイムを取るチャンスが巡ってきたら、また取りに行くだろうね。どんな風にレースが決まるかなんて、決して分からないんだから」
コンタドールの言う通り、昨ブエルタはボーナスタイムが総合優勝を大きく左右している。そもそもボーナスタイムがなかったら、2011年の首位と2位の座は入れ替わってしまうのだ。開催委員会が昨季までの20、12、8秒から、12、8、4秒へとゴールボーナスタイムを減らした理由も、そこにある。
もちろん今第2ステージのゴールへと突進して行った面々は、ボーナスタイムなど求めていなかった。欲しかったのは区間優勝と、おそらくゴールポイント。山ばかりのブエルタに参戦した数少ないスプリンターたちが、こぞって隊列を組み、大会最初の大集団スプリントへ向けて着々と準備を進めていった。ラスト7kmの軽い上り坂では、セルゲイ・ラグティン(ヴァカンソレイユ・DCM プロサイクリングチーム)がアタックを試みるも、オリカ・グリーンエッジ、オメガファルマ・クイックステップ、そして土井雪広が先頭で引っ張るアルゴス・シマノの高速トレインが抜け駆けを許さなかった。
「ラスト5kmからはかなりの高速だったね。アルゴス・シマノのチームメートたちは、本当に素晴らしい仕事をしてくれた。アラン・デーヴィス(オリカ グリーンエッジ)とベン・スウィフト(スカイ プロサイクリング)の背中を見失ったときにも、ボクを前線に引き戻すためによく働いてくれた。そしてこの3人で、ゴールスプリントが争われたんだ」
ジョン・デゲンコルブ(チーム アルゴス・シマノ)は、ゴール後に、こんなふうに最終盤の速い流れを振り返った。最後に「ボクこそが最強だった」というセリフも付け加えることも忘れずに。そう、ラスト500mのロータリーを抜けた直後から始まった長い長いスプリントを、激しく競り合った後に、デゲンコルブが制したのだ。自身初めてのグランツール区間勝利。アルゴス・シマノにとっては、……7月のツール・ド・フランスで思い通りの成績が上げられなかったオランダチームにとっては、昨年のマルセル・キッテルに続く嬉しいグランツール2勝目となった。
デゲンコルブは今大会初めてのポイント賞ジャージも獲得。カストロビエホは問題なく2日目のマイヨ・ロホ表彰台へと上がっている。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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