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サイクル ロードレース コラム 2012年8月23日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2012 第5ステージ

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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土井雪広はもちろん、中国人として初のグランツールを走るジ・チェンを含むチーム総動員で働いてきたアルゴス・シマノのトレインに、ロット・ベリソル、オメガファルマ・クイックステップ、リクイガス・キャノンデール、オリカ グリーンエッジ等々、複数のチームが張り合った。とりわけ最後の数キロは、レディオシャック・ニッサンが主導権を奪いとった。それでもラスト500mで、デゲンコルブを背中に引き連れたアルゴス・シマノの最終発射台が、先頭の座を取り戻し……。フィニッシュラインまで250m。しかし真っ先にスプリントを切ったのは、レディオシャック・ニッサンのダニエーレ・ベンナーティ!

約1ヵ月後に32歳になるベテランは、ちょうど1年前のブエルタで3年ぶりのグランツール区間勝利を上げたものの、どうやら、いまだかつての勢いを取り戻してはいなかった。シャンゼリゼとマドリードで両手を上げた経験を持つ“ビッグネーム”を、23歳の若き俊足は、するりと追い越した。3日前にグランツール区間初勝利を上げたばかりだというのに、早くも2勝目を手に入れた。

「簡単な勝利に見えたかもしれないけど、そんなものは絶対にあり得ない。去年はドーフィネでエドヴァルド・ボアッソンハーゲンを倒した。その時にビッグネームを倒す味をしめたんだよ。今日はベンナーティだ!」

また3日前にはポイント賞ジャージを着込んだものの、わずか1日で失ってしまった。今回またしても緑色のマイヨを手渡されたが……?

「グランツールのポイント賞ジャージを勝ち取ることは、やっぱり夢だよ。でも、今大会の目標に定めてしまうには、まだ早すぎる。なにしろ山が多いから。もちろん、この先はポイント獲得を目指して走っていく。このマイヨ・プントスのために闘う」

マイヨ・ロホを巡る闘いは、さっそく翌第6ステージから再開する。首位ロドリゲスから総合5位までのタイム差は9秒、10位までは46秒。1分以内に17選手がひしめいている状態だ。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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