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サイクル ロードレース コラム 2012年8月25日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2012 第7ステージ

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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さて、第4ステージではマイヨ・ロホ姿のアレハンドロ・バルベルデ(モヴィスター チーム)が落車したのにも関わらず、スカイ プロサイクリングが待たずに加速した。今回はスカイの大切なチームメート、しかも1人は総合4位だったわけだが……。そんなことはお構いなく、スカイは前線を奪い取った。しかも猛スピードで前を引き始めてしまった!サーキットに突入してもスカイ隊列は4人で強烈な牽引を繰り返した。プロトンは細く長い一列棒状となり、前方では一瞬、小さな分断さえ発生した。ラスト1km地点では、スプリンターのベン・スウィフトのために、総合2位フルーム自らが牽引するという行動にでたほどだ。

「スウィフトの発射台になろうとみんなで頑張った。でも強い向かい風が吹いていて、ペースを保つのは難しかった。すごく申し訳なく感じるよ。スプリントするには、あまりにもフィニッシュラインから遠い地点で、彼を1人にしてしまったから」(クリス・フルーム)

一方でラスト1kmから400m続いた左コーナーでは、多くのチームが前方ポジションへとよじのぼってきた。サーキット内側の芝生ゾーンを突っ切って前へと上がる、という離れ業を使うチームも多かった。スカイの黒いジャージは、とりわけアルゴス・シマノの白と黄緑のジャージに脇へ押しやられた。

「最終盤はかなりハードだった。スカイはスウィフトのために素晴らしい牽引を行ったね。でも結局はラストコーナーで、ボクのチームメートたちが、ボクを完璧な場所まで連れて行ってくれたんだ」(ジョン・デゲンコルブ)

真っ先にスプリントを切ったのは、フレンチトリコロールジャージだ。しかしフランス王者ナセル・ブアニ(FDJ・ビッグマット)が動いた瞬間に、デゲンコルブも駆け出した。そして22歳のフランス人を抜き去り、23歳イタリア人のエリア・ヴィヴィアーニ(リクイガス・キャノンデール)の追随をギリギリで跳ね返して、23歳ドイツ人がフィニッシュラインへと真っ先にたどり着いた。開幕1週間で3勝目。スプリント機会を全てものにしてきたことになる。

「簡単そうに見えるけど」とデゲンコルブは、前回優勝したときとほぼ同じセリフを口にする。「チームメートの助けがなければ、決してできないことなんだ。チームは1日中、隊列を組んで仕事をしてくれた。彼らのおかげで勝てた。本当にこのチームが誇らしい」(ジョン・デゲンコルブ)

結局スウィフトは10位で区間を終えた。スプリンター集団に続いて、2秒遅れで総合有力勢がゴールラインへとたどり着いた。ウランは1分09秒遅れてサーキットを走り終えた。総合4位から15位へと一気に陥落し、代わりに前日の総合5位から13位までの選手がそれぞれ1つずつ順位を上げた。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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