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コンタドールの最初のアタックとは、ラスト3.5km。アシスト役ラファル・マイカの凄まじい登坂スプリントに送り出されて、飛び出して行ったのだ。すぐに反応できたのはアレハンドロ・バルベルデ(モヴィスター チーム)だけ。ロドリゲスは一定リズムで上り続けた。ただモレーノに引かれ、すぐに合流したロサダに助けられたおかげで、ライバル2人を比較的あっさり捕らえることに成功する。
そこに総合3位クリス・フルーム(スカイ プロサイクリング)の姿がないと知るや、今度は総合4位のバルベルデが加速を仕掛けた。コンタドールはぴったり張り付き、またしてもロドリゲスはマイペースで追いついてきた。プリトにとっては非常に幸いなことに、遅れてモレーノも再合流してきた。なにしろコンタドールの2度目の大アタックの後も、モレーノが非常に献身的に働いてくれることになるのだから。
ゴール前2km。コンタドールが大きなアタックを打った。2週間前から幾度となく鋭い攻撃を披露してきたが、今回ははるかに長く効果的な一発だった。ライバルたちの姿はあっというまに後方へと消えて行った。ラスト1kmでは11秒の差をつけていた。決まった、と誰もが信じたに違いない。
しかし後方では、モレーノが必死の牽引を続けていた。フルームもアシストたちのたゆみない努力のおかげで、ついにロドリゲスのところまで追いついた。「コンタドールが前に行ったと知って、もしかしたらボクもロドリゲスからタイムを奪えるかもしれない」とさらにフルームさえ単独アタックを試みた。もちろんここでもモレーノが、驚異的な仕事を成し遂げるのだが。
「モレーノが最終1kmのアーチまで引っ張り上げてくれた。おかげでボクは勝てたんだよ。それにボクは非常に賢く戦った。自分で動くのは、ギリギリ最後の瞬間まで待ったんだ」(ホアキン・ロドリゲス)
ラスト1kmまでアシストたちに助けられ、無用なリズム変化を控えることで体力を温存してきたプリトは、最後に爆発的な加速をお見舞いした。フルームをあっさり置き去りにし、コンタドールへゴール前700mで追いつくと、そしてラスト200mで突き放した。3つ目の区間勝利に、ボーナスタイム12秒。今大会11回目のマイヨ・ロホ表彰台も待っていた。
5秒遅れでフィニッシュラインに到着したコンタドールは、またしても大いにステージに興奮を熱気をもたらした挙句に、区間勝利もマイヨ・ロホも手に入れられなかった。ロドリゲスとの総合タイム差も22秒と、また少し距離が開いた。コメントだけは相変わらず前向きだが……。
「感触は良かったし、満足している。プリト以外のライバルたちからは軒並みタイム差を奪うことができた。調子はいい。チームもしっかり働いてくれた。ただプリトは現時点で絶好調だから、こういった山頂フィニッシュで彼に抵抗するのは難しいね」(アルベルト・コンタドール)
またバルベルデは13秒遅れで、ロドリゲスを最後まで助けたモレーノは35秒遅れでゴール。フルームは38秒ものタイムを失ってしまった。つまりは総合タイム差で、とうとうバルベルデがフルームをとらえた!順位こそいまだフルームが総合3位につけているが、2人とも同じ1分41秒差。マイヨ・ロホ争いに関してはロドリゲスとコンタドールに大きく水をあけられてしまったが、この先は表彰台の3番目の場所を巡って、第4ステージの因縁の2人が争うことになりそうだ。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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