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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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難関山岳3連戦の中日、ブエルタ一行は伝説的コバドンガへと走り出した。今大会の激坂・山頂フィニッシュは、第4ステージ以外、全てマイヨ・ロホを争う選手たちが先を競うように奪い合ってきたものだ。前日だって、チーム サクソバンク・ティンコフバンクが逃げ形成直後から厳しいコントロールを続けた。ところが今ステージの有力者たちは、追走や区間勝利、ボーナスタイム獲得にはまるで執心しなかった。
スタート直後に大量20人が飛び出したときには、それでも逃げに選手を送り込めなかったチームが厳しく前に詰め寄った。ただその20人が半分に割れて、10人に数を減らすと、もはやプロトン内で異論を唱えるものはいなくなった。
こうしてルーベン・ペレス(エウスカルテル・エウスカディ)、ビセンテ・レイネス(ロット・ベリソル チーム)、セルゲイ・ラグティン(ヴァカンソレイユ・DCM プロサイクリングチーム)、ロイド・モンドリー(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル)、パブロ・ラストラス(モヴィスター チーム)、シモン・ゲシェケ(チーム アルゴス・シマノ)、ケヴィン・シールドラーエルス、アンドレイ・カシェチキン(共にアスタナ プロチーム)、そしてダビ・デラフエンテ、アントニオ・ピエドラ(ともにカハルラル)は順調にタイム差を開いて行った。奪ったリードは、ゴール前42kmで最大15分10秒!神秘の山コバドンガ――今日は幸いにも(残念ながら?)、有名な「霧」は立ち込めていなかったが――の麓でも、タイム差はいまだ13分半も残っていた。
全長13.5kmの上り坂に突入すると、10人はすぐに区間勝利へ向けた戦いを始めた。口火を切ったのはアスタナの2人。数的優位を利用してまずはカシェチキンが、続いてシールドラーエルスが畳み掛けるようにスピードを上げた。もちろん2006年ブエルタ総合3位と、2009年ジロ新人賞という危険人物の攻撃に、ライバルたちは喰らいついた。
ところがゴール前11.2km、やはり2人で逃げに乗っていたカハルラルの1人が飛び出すと、今度は誰一人として反応しなかった。アタックを打ったのは、2006年ツールのスーパー敢闘賞を取った超有名人デラフエンテ……じゃない方。無名のピエドラを、他選手たちは過小評価していたのかもしれない。慌てて数人が追いかけ始めた時には、すでにピエドラは遠くへ行ってしまった後だった。デラフエンテの潰し工作も、アシストとして効果的だった。
「上りは難しかったし、最難関ゾーンはちょっと心配だった。他の選手たちが追いついてくるんじゃないか、って怖かった。でも実際はリードは広がる一方で、ようやく『ボクは現実に勝利に向かって走っているんだ』って分かったんだ。でもまだ実感がわかないや。すごく嬉しいけれど、これが現実に起こったことだとは信じられない」(アントニオ・ピエドラ)
山頂では観客に思う存分投げキスを撒き散らし、生まれて初めてのグランツール勝利を満喫した。2008年にプロ入りして以来、ずっとスペインの小さなプロコンチネンタルチームで走ってきた。26歳のピエドラにとって、ブエルタは3度目の挑戦だった。また2010年に誕生し、今回が初めてのブエルタ出場となるカハルラルにとっては……第4ステージでマルコス・ガルシアが優勝を信じて歓喜のジェスチャーをしてしまったこともあったけれど、今回こそが正真正銘のブエルタ初勝利だった。
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