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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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追い風に乗って、今大会最長ステージを猛スピードでプロトンは駆け抜けた。全長204.5kmで4時間17分17秒。時速は47.691km。開催委員会が予定していたゴールタイムを35分も上回って、勝者はフィニッシュラインへ飛び込んだ。
マイヨ・ロホ争いに大どんでん返しが見られた翌日、久しぶりにスプリンターたちにチャンスが巡ってきた。スタート直後に比較的あっさり5選手を先に行かせると、区間4勝ジョン・デゲンコルブ擁するチーム アルゴス・シマノが当然のようにプロトン前方に位置取りした。するとレディオシャック・ニッサンが、ダニエーレ・ベンナーティのために牽引協力を買って出た。2008年にこの日のゴール地バリャドリードで両手を上げた、そして2011年ジロで命を落とした元チームメート(当時はレオパード・トレック)のワウテル・ウェイラントに勝利を捧げるために。レディオシャック隊列に混ざって、土井雪広(チーム アルゴス・シマノ)のジャパンナショナルジャージがひときわ目に付いた。
おかげでグスターボ・セサル(アンダルシア)、ブレント・ブックウォルター(BMCレーシングチーム)、ルイス・マテマルドネス(コフィディス ルクレディアンリーニュ)、ガティス・スムクリス(カチューシャ チーム)、マルティン・ケイゼル(ヴァカンソレイユ・DCM プロサイクリングチーム)のエスケープ集団は、後方からの遠隔操作から逃れることはできなかった。50km地点で最大5分のリードを手に入れるも、逃げ切りの可能性はみるみる減っていく。
しかもステージ終盤にはリクイガス・キャノンデールやオリカ グリーンエッジ、ラボバンク サイクリングチームも、それぞれエリア・ヴィヴィアーニやアラン・デーヴィス、デニス・ファンヴィンデンのために集団加速を引き受けた。
高速レースには、残念ながら落車が付き物だ。ゴール前33kmではナイロ・クインターナ(モヴィスター チーム)、ダヴィデ・チモライ(ランプレ・ISD)、リーナス・ゲルデマン(レディオシャック・ニッサン)、アルノー・ジャネソン(FDJ・ビッグマット)が激しく地面に叩きつけられた。左肩を強く打ったゲルデマンは、マドリード到着まであと3日というところで、即時リタイアを余儀なくされた。
アクシデントはあっても、プロトンの威力は一向に衰えなかった。ラスト25kmに入ると、いよいよ追い詰められた前方の5人が、なんとか抜け出そうとアタック合戦を繰り広げるも……ゴールまで17kmを残してエスケープは全て回収された。すると赤から緑のジャージに着替えたばかりのホアキン・ロドリゲスと、カチューシャ チームのアシスト勢が、集団前方に一斉に詰め掛けた。あまりの急激な加速に、プロトンが真っ二つに分裂したほど!
「風が吹いていたから、注意する必要があった。幸いにも強風ではなかったけれど、分断を仕掛けるには最適なステージだったからね。とにかくアクシデントを恐れていたんだ。だから1日中、集団前方のポジションで走るように集中し続けた」(アルベルト・コンタドール)
新たにマイヨ・ロホを身にまとうアルベルト・コンタドール(チーム サクソバンク・ティンコフバンク)を少しだけ心配させたこの攻撃は、ゴール前6.5km地点に待ち構えた第2中間ポイントで、一旦落ち着きを取り戻した。しかし総合首位まで2分28秒差、2位まで36秒差のプリトの頭にあったのは、ボーナスタイムなのだろうか?それとも緑色のジャージを守るためのポイント収集(もしくはポイント潰し)だったのか。
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