人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2012年9月10日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2012 第21ステージ

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
  • Line

グランツール最終日特有の嬉しいような、ほっとしたような、それでいてちょっと寂しいような雰囲気が漂っていた。3週間前にパンプローナを出発した198選手は、たくさんの山や激坂を越えるうちに、175選手にまで数を減らしていた。スペインの青い空の下で、プロトンは最後のステージへと走り出した。

のんびりとしたパレード走行はまた、アルベルト・コンタドール(チーム サクソバンク・ティンコフバンク)の復活凱旋パレードでもあった。サクソのチームメートと共に美しき隊列を組み、栄光のマイヨ・ロホ姿でマドリードへの街へと先頭で滑り込んでいく。2010年ツールと2011年ジロの総合タイトルを剥奪され、謹慎処分を下されたチャンピオンは、ひどく苦しみながらも……失ったタイトル数をこれで1つ戻した(ジロ1、ツール2、ブエルタ2)。

「今回の勝利は、いつもとは違った。だからなおのこと味わい深いんだ。あのフエンテ・デの山頂で抱いた気持ちは、ボクのキャリアの中でも、これ以上ないほどの感動だった。今日はマドリードを満喫したいね」(アルベルト・コンタドール)

もう1人、特別な思いを抱いてマドリードに戻ってきた選手がいる。フランス人のダヴィド・モンクティエ(コフィディス ルクレディアンリーニュ)だ。2008年〜2011年まで4年連続で山岳賞を独占してきたヒルクライマーは、この2012年、手ぶらのままスペインを立ち去る。「ツールでの下りでの落車・リタイアから、精神的に立ち直ることができなかった。怖くて、下りで体が動かなくなってしまったんだよ。もう限界だったんだ」と、モンクティエのプロ入り以来、16年間変わらず側で支え続けてきたドゥルイユ監督は寂しそうに語った。37歳の大ベテランにとって、これが正真正銘現役最後の日。プロトンから少しだけ前に飛び出すと、キャリア最後の5年間を輝かせてくれたブエルタとスペインのファンたちに、大きく手を振って別れを告げた。

こうして10回のうちの1回目のゴールライン通過を終えると、いよいよ、最後の華やかなアタック合戦へと移行した。アンダルシアのハビエル・チャコンとセルヒオ・カラスコの強烈な引きに導かれて、セルゲイ・ラグティン(ヴァカンソレイユ・DCM プロサイクリングチーム)、ケヴィン・シールドラーエルス(アスタナ プロチーム)、ミケル・アスタルロサ(エウスカルテル・エウスカディ)、ハビエル・アラメンディア(カハルラル)が飛び出した。この21日間のエスケープやアタックを幾度となく彩った6人は、スペイン首都の目抜き通りでも魅せてくれた。

ただし後方プロトンでは、白と薄黄緑がイメージカラーのチーム アルゴス・シマノが、やはり3週間に渡って幾度となく繰り返してきたように隊列を組み上げた。ここまで4度、スプリントエースのジョン・デゲンコルブを成功に導いている。ならば同じやり方で、大会で最も威厳のあるスプリント勝利を手に入れたい。ひときわ大きな野望へ向けて、チーム一丸となって突き進んだ。背と腹に真っ赤な日の丸を抱く土井雪広も、トレインの先頭となって、最後の仕事に取り掛かった。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ