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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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キャラバン隊
ツール・ド・フランス現地観戦に行って、まず目を奪われるのが、キャラバン隊の行進だろう。レースの大体1時間前、コース上に華やかな改造車の隊列が出現し、スポンサーグッズをバラまいていく。争奪合戦は壮観だ。
このキャラバン隊は、もはやツールには欠かせない。カラフルで、にぎやかで、フェスティバルの雰囲気があたり一面に漂っていく。
歴史をたどると、チョコレートのムニエ社広報、ポール・テヴナンが1925年、コース上の一部を、自社のロゴ付き車両でたどったのが元祖と言われる。やがて真似をする企業が相次いだ。
その流れが飛躍するのは1930年。ツールは、従来の自転車メーカー協賛チームを、すべて排除。ナショナルチーム制に変更した。レースを牛耳り始めた自転車会社への、けん制だった。
そのため全員同じノーブランドの黄色いバイクが支給され、自転車メーカーがPRする余地はなくなった。
しかしそれは同時に、協賛金不足につながる危うい行為でもあった。その穴埋めとして苦肉の策として担ぎ出されたのが、スポンサーを募ってキャラバン隊として投入する、という手法だった。
初回の1930年、ムニエ社は、華々しい宣伝活動を繰り広げる。配布されたロゴ付き紙帽子の数、50万個!社員を動員して配られたチョコレートは数トンに及び、峠では、ココアのサービスまで。そのほか靴のクリーナー会社リオン・ノワールは、でかでかとした自社製品の模倣品を車の上に搭載して行進した。
かくして現在のキャラバンの原型は、第1回目の試みで、すでに形作られ、30年代後半には、車両数28を数えた。うち半分が食品関係のスポンサーだったという。
人がいるから広告車が集まり、華々しい車列は、さらなる観衆を引き寄せた。まさに相乗効果。いまや車両数は約160、配布される商品の数は1600万個。全長20kmにも及ぶ。
写真:©Yuzuru SUNADA
Naco
1999年末、ホームページを立ち上げ、趣味だった自転車ロードレースの情報記事を掲載しはじめる。2000年夏からは、ツール・ド・フランスの現地観戦レポートを開始。同サイトには、ロードレース・ファンたちが数多く訪れている。現在、フリーランスのジャーナリストとして自転車専門誌に記事を寄稿している。
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