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サイクル ロードレース コラム 2013年5月7日

ジロ・デ・イタリア2013 第3ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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わずか3日目にして、戦いに火がついた。中級山岳ステージで、まずはライバルたちの小手調べ……なんていうまどろっこしい段階は素っ飛ばされた。前日のチームタイムトライアルでタイム差のばらけたビッグライダーたちが、早々と自己主張を始めてしまったのだ!

スタート直後に飛び出したマヌエーレ・ボアーロ、ウイリアム・ワウテルス、ファビオ・タボッレ、ハリンソン・パンタソ、ベルト・デバッケル、ディルク・ベレマケルス、ジャクソン・ロドリゲスの7選手は、最大7分程度のリードをつけ、風光明媚なアマルフィの海岸を逃げ続けた。後方で手綱を握ったのは、オメガファルマ・クイックステップ。前夜までピンクジャージを肩にはおり、この日は赤ジャージに着替えたマーク・カヴェンディッシュを支えようと、チームメートは仕事に精を出した。

ただし、ステージ後半に聳え立つ2つの峠は、どうやらカヴには難しすぎた。いや、なにより、マリア・ローザ大本命たちが本気で動き出してしまったものだから、ほぼ全ての「平坦組」が喘ぎ苦しんだ。……マリア・ローザを身にまとうサルヴァトーレ・プッチォさえ、無残に置きざりにされてしまったほどだった。

前を行く7人からは、最初の難関を下り終えた直後のゴール前55km、タボッレが単独で飛び出した。後方とのタイム差はいまだ4分半残っていたが、メイン集団の前を引く顔ぶれは、がらりと変わった。アスタナ プロチーム、ブランコプロサイクリングチーム、さらにはプッチォ、もといブラドレー・ウィギンス擁するスカイプロサイクリング。淡々とリズムを刻んではいたけれど、ビッグチームたちの脅威は確実に迫っていた。

その淡々としたリズムを、最初に壊したのはカチューシャだったのかもしれない。ルーカ・パオリーニが下りですでに1度アタックを企てていた。しかし、本格的に大砲がぶっ放されたのは、ゴール前30km。3人のガーミン・シャープが、突然ペダルをがむしゃらに漕ぎはじめ、集団を引き千切りにかかったのだ!

得意なはずのチームTTで、まさかの25秒遅れという失態を犯したチームは、リベンジに燃えていた。若きTT巧者ラムナス・ナヴァルダスカスと、グランツールでトップ10入り4度の経験を持つトム・ダニエルソンが、ディフェンディングチャンピオンのライダー・ヘシェダルを引き連れて猛烈と前方へ突進した。ほんの数キロ前で、スカイがアシスト2人を解放――千切れたのではなく、翌日以降のための体力温存策だと、各方面では分析している――したのを、見逃さなかった。

その攻撃的精神は、たとえナヴァルダスカスがカーブでミスを犯して引き下がっても、ついに1人で飛び出したヘシェダルが結局は集団に吸収されても、決して衰えることはなかった。ゴール前17kmの下り坂で、ヴァレリオ・アニョーリが下りアタックを仕掛けると、またしてもヘシェダルは飛び出した。ほんの2週間前のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュでは、チームメートのために大いに働いたが、この日はひたすら、自分のめだった。

「絶好の機会だと思ったからなんだ。残念ながら、そのチャンスはつかみ取れなかったけど。この先も、あらゆる機会で、トライしていく」

1年前は「守備的に勝った」と非難され、イタリアからまるで愛されなかったカナダ人は、今年はいの一番にジロを盛り上げた。パオリーニも合流し、しばらくはアニョーリと3人で先を突っ走ったヘシェダルだが、ヘアピンカーブが無限に続く九十九折の下り坂で、ライバルたちに捕獲されていった。

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