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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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「平凡で簡単なステージのはずだったのに……、こんな危険が最後に待っているなんて!」ゴール直後にヴィンチェンツォ・ニーバリは、TVマイクに向かってイラついたように吐き捨てた。彼だけではない。多くの選手が、静かで、しかし奇妙な1日を、ちょっとした喧騒の中で締めくくった。
スタートと同時に6選手が飛び出すと、プロトンは落ち着いたリズムで走り始めた。エスケープ組の中でステファノ・ピラッジィだけが後ろに引き下がったが、トーマスアウレリオ・ジルマルチネス、アラン・マランゴーニ、リカルド・メストレ、ブリアン・ブルギャク、ラファエル・アンドリアートの5人は先を続けた。タイム差は最大10分ほどに開き、後方集団の前方にはスプリンターチームのチーム アルゴス・シマノが腰を落ち着けた。地面は乾いていたし、道は見渡す限り平坦だった。
ところが、ゴール地のマテーラでは、大量の雨が空から落ちてきていた。軽い傾斜のある最終ストレートは川のように水が流れ、場所によっては5cmほどの沼ができ上がった。マテーラの町が企画していた様々な市民イベントは中止に追い込まれ――同自治体は2019年の欧州文化都市に立候補しており、アピールのためのサイクリストイベントが催されるはずだった――、プロトンを本当に迎え入れられるのかどうかさえ懸念されたほどだった。
確かにこの春、雪のせいでミラノ〜サンレモでのコース中盤がカットされ、ヘント〜ウェヴェルヘムのスタート地が移動されている。昨春のカタルーニャ一周第3ステージでは悪天候でゴール地が手前に設定された。そうそう、2006年ジロのプラン・デ・コロネス初登頂も、やはり雪のせいで中止されたのだった。あの年のゴールラインは、未舗装部分に入る手前に引き直されている。
ゴールまで80kmほどに近づいたところで、選手たちも通り雨に襲われた。試練に立ち向かうために、誰もが雨具を着込んだ。ただし幸いにも、空の神様は、それほど意地悪ではなかったようだ。黒雲はプロトンの頭上からも、ゴール地からもいつの間にか立ち去って行った。おかげで後方集団は予定通りに追走を開始することができたし、ジロ開催委員会はフィニッシュラインの整備に取りかかった。
ジョン・デゲンコルブ擁するアルゴス・シマノと、マシュー・ゴス支えるオリカ・グリーンエッジが、この日のエスケープ狩りを積極的に買って出た。あっという間に5人とのタイム差は縮まる。ゴール前25km=4級峠の麓では、タイム差はついに1分を切った。吸収はもはや時間の問題となった。
と、ここでモヴィスター チームやヴィーニファンティーニ・セッレイタリアも、積極的に前方での仕事を引き受け始めた。短いけれど、勾配の厳しい上りで、スピードは猛烈に上がった。もはや吸収のためだけではなかった。デゲンコルブやゴスと同じように、それぞれに「上れるスプリンター」フランシスコホセ・ベントソやオスカル・ガットを抱えるチームの狙いは、おそらく……マーク・カヴェンディッシュを引き千切ること!企みはまんまと成功する。カヴはひどく喘ぎ苦しみ、アシスト2人に支えられながらも、山頂ではメイン集団から55秒も遅れた。
上りの途中で逃げ集団は全滅し、代わりに序盤の逃げから早々と退去していたピラッジィが飛び出した。結局は山岳ポイント収集だけで終わることになるのだが(おかげで山岳ジャージ争いは2位浮上)、このアタックをきっかけに、たくさんの小さな試みが巻き起こる。特にアージェードゥゼール・ラ・モンディアルの2人、つまり山頂間際で飛び出したベン・ガスタウアーと、ゴール前5.5kmで運試しに出たユベール・デュポンが、強い意気込みを見せた。地元出身のチームリーダー、ドメニコ・ポッツォヴィーボに、勝利をプレゼントしたかったのかもしれない。
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