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ほんの2週間前には、優勝大本命トリオに名前を連ねていた2人が、第13ステージの金曜日の朝にジロから立ち去った。ディフェンディングチャンピオンのライダー・ヘシェダルは、「とにかく皆さんにお礼を言いたい。家族、友達、ファン、そして特にチームとジロ・デ・イタリアに。皆さんのサポートは素晴らしかった」とツイートを残して、ばら色のコースに別れを告げた。2012年ツール覇者のブラドレー・ウィギンスは、「こんな形でストップせざるを得ないなんて、本当にがっかりだ。でも、ツールに絶好調で戻ってくるための、決断だったんだよ」と、前向きにイタリアを離れた。ヘシェダルは32分55秒遅れの38位、ウィギンスは5分22秒遅れの13位が、今大会最後の成績となった。
ところで、やはり今ステージDNS(未出走)だったナセル・ブアニは、レース結果を聞いて後悔しなかっただろうか?「第12ステージが終わったら、あとは最終日までチャンスなし」なんてスプリンターたちは口々に言っていたけれど、結局はこの日も、集団スプリントで終わることになったのだから!
254kmというクラシック顔負けの距離が、スタートした選手の眼前には待ち受けていた。道中の3分の2は平坦だったけれど、ラスト70km頃から小さな起伏がいくつか襲い掛かってくる。しかも、強い風が絶え間なく吹きつけた。そんな中で、7人の選手が、真っ先にエスケープ集団を作り出した。
パブロ・ラストラス、ジャイロ・エルメッティ、ラルスイティング・バク、ダニーロ・ホンド、ニコラ・ボム、ラファエル・アンドリアート、トビアス・ルドビグソンの7人が21km地点で飛び出すと、後方プロトンはしばらく休憩タイムに突入した。一時は13分ものリードを許したが、長いステージ、特に焦る必要はなかった。走行時間も3時間を過ぎ、ステージも折り返し地点を越えた頃から、ゆっくりと追走が開始された。もちろん集団の先頭で音頭を取ったのは、前日に念願の赤いジャージを取り戻したマーク・カヴェンディッシュと、周りを固めるオメガファルマ・クイックステップの面々だった。
平坦な道をオメガ列車は黙々と突き進んでいく。ゴール前50km地点では、早くも1分15秒程度までタイム差を圧縮した。完璧なるコントロールで、レースを冷静に制御しているように見えた。……ただそれも、この時点まで。ゴール前46km、3級峠の上りで前方と後方とでほぼ同時にアタックがかかると、いつ終わるとも知れない飛び出し合戦が始まった。オメガファルマ勢は、飛び散る火の粉を消して回ったり、エーススプリンターを上りで牽引したりと、てんてこ舞いを強いられた。
エスケープ集団ではボムが加速を仕掛け、ラストラスとバクの3人に絞り込まれていた。メインプロトンではステファノ・ガルゼッリの猛加速を合図に、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリアやカチューシャが前へと躍り出た。モヴィスターチームが激しく追いたてた。いずれのチームもちょっとした起伏など軽々と乗り越えられるスプリンター(それぞれオスカル・ガットにルーカ・パオリーニ、フランシスコホセ・ベントソ)を有している。裏を返せばカヴに直接対決へ持ち込まれると分が悪い。勝機を得るには、上りで千切ってしまわなければならない。第5ステージで、まんまと成功させたように(残念ながらゴール前の集団落車で、みなスプリントさえ切れなかったが)。
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