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サイクル ロードレース コラム 2013年5月22日

ジロ・デ・イタリア2013 第16ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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2度目の休養日を終え、全てが決まる最終週が始まった。2週間前に207人で走り出したプロトンは、すでに173人にまで小さくなった。総合首位の証マリア・ローザはヴィンチェンツォ・ニーバリが9日前からしっかりと着込み、この日も堅固なチームと共に頼もしい存在感を見せ付けた。山岳賞マリア・アッズーラは、ステファノ・ピラッジィがまたしても逃げに乗り、大切なリードをさらに開いた(23pt差→37pt差)。新人賞マリア・ビアンカは、カルロスアルベルト・べタンクールとラファル・マイカが白熱の奪い合いを演じたけれど、両者の関係は変わらぬまま。現時点では5秒リードでベタンクールが白色に収まっている。ところでポイント賞マリア・ロッソは……、この日晴れて28歳の誕生日を迎えたマーク・カヴェンディッシュは、翌第17ステージを制して、自分へのプレゼントにしたいと意気込んでいるんだとか。

238kmの長距離ステージでは、スタートから20km地点で22人の超大型エスケープができ上がった。前方集団に滑り込んだのは23チーム中16チーム。人数の多さや、休養日明けということを考慮すれば、もしかしたら最後まで逃げ切れるかもしれない。そんな企みだった。しかし2013年ジロには、結局のところ、「移動ステージ」と呼べる静かなステージなど存在しないのだ。

残念なことに、1人の邪魔者が紛れ込んでいた。総合で9分57秒遅れのダミアーノ・カルーゾだ。マリア・ローザ擁するアスタナは、それほど厳しすぎない程度に集団コントロールを行っていた。しかしタイム差が5分15秒にまで開くと、状況は一変する。ゴール前70km、逃げ集団に選手を入れ損ねたカチューシャとレディオシャック・レオパードが、突如として追走モードへとスイッチを切り替えた。両チームはそれぞれ総合12位と11位の選手を擁しており、カルーゾに余計なリードを与えるわけには行かなかった。

急激にタイム差が縮んで行く。ゴール前55kmでは、貯金はついに2分15秒にまで減った。最初からまとまりのなかった前方の22人は、ますます互いをリスペクトしなくなった。自分だけでも逃げ切りたい、そんなアタック合戦を繰り広げた。壮絶な足の引っ張り合いは15km近くも続いた。ようやくエマヌエーレ・セッラ、ウィルコ・ケルデルマン、ダニー・ペイトが抜け出すも、また15kmほどするとステファノ・ピラッジィやらラムナス・ナヴァルダスカスの5人に合流された。つまりゴール前25kmで、エスケープの残党はわずか8人になっていた。

ただし、その頃には、メイン集団がほんの50秒ほどの背後に迫っていた。しかもちょうど差し掛かった3級峠は、最大勾配13%という超難題。そこで総合5位ミケーレ・スカルポーニがアタックを仕掛けてしまったものだから、当然のようにマリア・ローザ軍団は真剣勝負へと雪崩れ込んでいく。

「非常に調子が良かった。だからライバルたちの脚を試したかった。『ボクはまだ目標のために戦い続けるぞ』ということを、見せ付けたかった。サンタンブロジオが遅れていたのは、知らなかったんだ」(スカルポーニ)

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