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サイクル ロードレース コラム 2013年5月24日

ジロ・デ・イタリア2013 第18ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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総合2位カデル・エヴァンスとの差をできれば2分に開きたい……と願っていたヴィンチェンツォ・ニーバリは、望みの2倍もの差を手に入れた。欲しくて欲しくてたまらなかった区間勝利も、見事にポケットにしまい込んだ。日曜日、ブレシアでのマリア・ローザが、ぐっと近づいた。

「今日の勝利で、さらに一歩前進できた。大会が3週目に入ってから、脚が非常に良く動いている。朝の下見の時から、調子が良いと感じていた。落ち着いて、自信を持ってレースに臨むことができた」(ニーバリ)

気持ちを引き締めるためにも、普段はピンクの上着にアスタナカラーのパンツを合わせているニーバリだが、この日は当然、上下ピンク色のスーツでタイムトライアルへと走り出した。172番目、つまり最後にスタートを切った暫定総合首位にとって、山道も、ルーラーもヒルクライマーも、最終盤に降り注いだ雨も、まるで敵ではなかった。9.5km地点の中間計測ポイントでは、サムエル・サンチェスが記録していたトップタイムを38秒も上回った(20分29秒)。20.6kmの上りを終えた後には、2位サンチェスとのリードは58秒にまで広がっていた。優勝タイムは44分29秒が記録された。

3週目に入ってぐんぐん調子を上げてきているサンチェスを、つまりはがっかりさせてしまった。ただ、心底失望しているのは、エヴァンスのほうに違いない。36歳の大ベテランは、出走前には今ステージの「本命」とさえ噂されていた。そして持ち前のダンシングスタイルで、リズム良く飛び出して行ったが……。

「エヴァンスは数日間プロトンの中に上手く隠れていたから、状態がどうなのかまるでつかめなかった。今日も、彼がいい走りを見せるんじゃないかと、恐れていた。でも今日のステージの最終盤に、エヴァンスがすぐ前を走っている姿が見えた。それがボクのモチベーションをいっそうかきたててくれたんだ」(ニーバリ)

3分前にスタートしたはずのエヴァンスが、ラスト1kmでは、ニーバリのほんの数百メートル前でもがいていた。そしてエヴァンスがゴールしたわずか24秒後に、ニーバリはガッツポーズしながらフィニッシュラインへと飛び込んだ。2011年ツール覇者は、この日だけで2分36秒を失った。総合ではいまだ2位の座にしがみ付いているが、首位との距離はとてつもなく広がった(4分02秒遅れ)。

「ボクが望んでいたものとはかけ離れた結果となってしまった。でもボクは、ジロに向けて最高の調整をしてきたわけではないんだ。むしろこのジロを、ツール・ド・フランスへ向けた調整にしたいと考えていた。ニーバリがチャンピオンだ。頭一つ抜け出している。総合優勝にふさわしい選手だよ」(エヴァンス)

なにやら早くも敗北宣言を出してしまったエヴァンスだが、この思わぬ不出来に、喜んだり、救われたりした選手も多い。たとえば総合3位リゴベルト・ウラン(区間6位、1分26秒差)は、2位までの距離が一気に10秒へと縮まった。また後半は少々バテてしまったが、前半の快走で、総合4位ミケーレ・スカルポーニ(区間4位、1分21秒差)は自らの実力とやる気とを見せ付けた。表彰台まで1分02秒差に詰め、残り2日で、エヴァンスを蹴落とせるかもしれない……と望みをつないだ。

8分05秒遅れでステージを終えていたマーク・カヴェンディッシュも、まさか赤いポイント賞ジャージが、自分のところに戻ってくるとは予想さえしていなかったという。

「今夜はジャージを着られないと思っていたのに、またこうして再び手に入れられるなんてね。山岳タイムトライアルはきつかったけれど、幸いにもポイント賞トップを守ることができた。目標は最終日までジャージを守ること。そして日曜日にスプリント勝利を手に入れること。もちろんジャージの行方は、明日の難関ステージの展開にもよるけれど……」(カヴェンディッシュ)

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