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サイクル ロードレース コラム 2013年5月25日

ジロ・デ・イタリア2013 第19ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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異常寒波はいつまでもどこまでも追いかけてくる。2013年ジロの第19ステージは、完全キャンセルに追い込まれた。

前夜、雪深いガヴィアとステルヴィオを迂回し、代わりにトナーレとカストリンを通過するコースが発表されていた。ただし一夜明けてみたら、両峠の頂どころか、ステージ全体に雪が降り続いていた。標高1800mを越えるトナーレ峠の山頂は、体感温度マイナス10度近くまで下がったという。現地時間午前9時半頃に、開催委員会は英断を下した。選手はもちろん、ジロに帯同するすべての人々の安全を守るためには、正しい判断だった。

しかも最終日前夜の第20ステージに関しても、やはり降雪のせいで、コース変更を余儀なくされた。

本来ならば全長203kmのコースに難関峠が5つ待ち構える、2013年ジロ最後の超難関ステージとなるはずだった。しかしスタートから60kmほどは予定通りに「谷間」を走ったあと、立て続けに3つの峠が完全カットされる(コスタルンガ、サン・ペッレグリーノ、ジャウ)。特にサン・ペッレグリーノからの長い下りを、開催委員会は危惧したのかもしれない。最後の2峠だけは、かろうじて残された。そして本日中止されたステルヴィオ(標高2758m)の代わりに、「カニバル」エディ・メルクスに捧げる伝説峠トレ・チーメ・ディ・ラヴァレード(標高2304m)が、イタリアの誇る「カンピオニッシモ」を記念するチーマ・コッピを引き受ける。ステージ距離も210kmに延長された。

こうして強制的に休養日を取るはめになったプロトンだが、中には戦術を練り直す必要に迫られた選手も多いだろう。マリア・ローザのヴィンチェンツォ・ニーバリは、幸いにも、前夜に念願の区間勝利を手にした。あとは4分02秒のタイム差を、しっかり1日守り切るだけで十分となった。一方で総合2位カデル・エヴァンスと3位リゴベルト・ウランの10秒差の戦いは、最後の2峠でいっぺんにカタをつける必要が出てきた。総合4位ミケーレ・スカルポーニだって、表彰台までの1分02秒差をどうにかして縮めたいはずなのだ。もっと熾烈なのは、ラファエル・マイカとカルロスアルベルト・べタンクールの新人賞を巡る2秒差の戦いだろうか……。

ステファノ・ピラッジィは、もはや逃げに乗る必要さえなくなった。本来ならば第19・20ステージにはチーマ・コッピ1つ(最大21pt)、1級峠4つ(最大15pt)、2級峠3つ(最大9pt)が待ち受けていたため、最大108ptを守りに行かなければならないはずだった。ところが19ステージ中止、第20ステージはチーマ・コッピ+2級で、ライバルに取られるかもしれない最大ポイントはわずか30pt。で、つまり……山岳賞2位につけているジョヴァンニ・ヴィスコンティとのポイント差は、すでに34pt開いていることから、完走=ブレシアでの青ジャージが決定してしまった!

またマーク・カヴェンディッシュは、完走へのやる気をいっそう燃やしているに違いない。現在ポイント賞争いではカデル・エヴァンスが4pt差、ニーバリが10pt差で追いかけてきている。しかし、たとえ第20ステージでエヴァンスが中間2回とゴールポイントを全てさらい取ったとしても、平坦ステージの第21ステージで、カヴには同じだけ奪い返す希望が残っている。なにより山が2つしかなくなったおかげで、チームメートが逃げ集団に滑り込んで中間ポイント潰し、なんていう作戦だって取れるかもしれない。

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