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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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真っ白な風景を、ピンク色の王者が切り開いていく。2013年ジロ・デ・イタリアの最後の難関ステージで、ヴィンチェンツォ・ニーバリが、我こそがマリア・ローザに最もふさわしい選手であることを改めて証明した。1968年に三岩峠を制した「カニバル(人食い)」エディ・メルクスのように、イタリア自転車界にとっての永遠の英雄「カンピオニッシモ(チャンピオン中のチャンピオン)」ファウスト・コッピのように、偉大なるチャンピオンの走りを見せた。
「タイムトライアルですでに勝っていたけれど……、正真正銘の、難関山頂フィニッシュでどうしても勝ちたかったんだ!」(ニーバリ)
5つの峠越えは、2つに減ってしまったけれど、間違いなく今大会のタッポーネ(最難関ステージ)だった。ゴール前の数キロには、標高・勾配・寒さ・強風・雪……がいっぺんに選手たちの前に立ちはだかってきた。しかも、すでに3週間、雨や雪に打たれてきた選手たちの肢体は、悲鳴をあげていたはずだ。たとえ前日のステージキャンセルで、思いがけない休養日を過ごしたとしても。
それでもスプリンター以外にとっては、このジロで輝く最後のチャンスだったのだ。だからステージ序盤から、アダム・ハンセン、パヴェル・ブラット、ジャイロ・エルメッティやヤロスラフ・ポポヴィッチの4選手は逃げを試みた。……ただもちろん、ハンセンは第7ステージですでに独走勝利をさらい取っていたし、ブラットの所属するカチューシャはマリア・ローザや区間勝利をたっぷり堪能済みだ。一方でポポヴィッチとエルメッティ、それぞれの所属チームであるレディオシャック・レオパードとアンドローニジョカットリ・ベネズエラは、これまでの19日間、なにひとつ収穫がなかった。谷間を満たしていく冷たい空気にも負けずに、ひたすら前を急いだ。後方とのタイム差は最大7分にまで開いた。
「1勝」を追い求めていたのは、なにも上記2チームだけではなかった。参加23チーム中、13チームが勝利の喜びを味わえずにいた。当然のようにプロトン内では、やはりラストチャンスにかけるチームたちが、追走の列車を走らせた。山岳巧者を抱えるエウスカルテル・エウスカディとコロンビアが、序盤の平地から隊列を組んだ。また山が近づいてくると、キャノンデール プロサイクリングも前方に競りあがってきた。
この日の栄光ではなく、「明日の」栄光を目指していたのが、マーク・カヴェンディッシュだった。第19ステージ中止のおかげで、幸運にも、赤いジャージを着続けていた。第20ステージのコース変更のおかげで、しかも逃げ集団が4人だったおかげで、やはり幸運にも、2つの中間スプリントポイントを争うことができた。だって本来ならば、スプリントは難関峠と難関峠の間だったから……。こうしてカヴは、それぞれの中間スプリントで5位通過=2pt×2を手に入れる。結果から言うと、今ステージの終わりにジャージは「一旦」失った。11pt差でニーバリに追い抜かれた。ただし最終日、例えばゴールスプリントで5位(12pt)に入れば、赤いジャージは戻ってくる(この場合は、ニーバリが4位以内に入らなければ、の条件付だけれど)。中間ポイントを重ねることができれば、もっと下位でも大丈夫。もちろん、カヴが狙っているのは1等賞しかないはずだけれど!
四賞ジャージほど威厳は高くないものの、小さな賞を狙っている選手だっていた。1回目の中間ポイントでスプリントを挑んできたラファエル・アンドリアートに対して、カヴはカンカンに怒った。しかしアンドリアートだって、実は、「中間スプリントポイント賞」の総合首位を守ろうと夢中だったのだ(20pt)。なにしろ、エスケープに滑り込んだハンセンには、2pt差にまで追い上げられた。ついでに「大逃げ賞」でもアンドリアートは365kmで総合首位に立っているが、これに関しても、エルメッティに348kmに迫られた。この2賞に関しては、ブレシアでの逃げグループ次第では、顔ぶれが変わるかもしれない。
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