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サイクル ロードレース コラム 2013年7月1日

ツール・ド・フランス2013 第2ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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混乱と傷跡を引きずったまま、コルシカの2日目が幕を明けた。前夜にゴールエリアで鳴り響いた怒号は、テレビやラジオの電波に乗って、どんどん音量を増していった。特に大きな声を上げたのは、おなじみのマルク・マディオ監督だった。

「残り3km地点でゴール、それはそれで問題なし。問題は、それをアナウンスした直後に、『やっぱり本来のフィニッシュラインに戻します』って、決定を引っくり返したことだ!結局はプロトンがパニックに包まれて、落車を引き起こしただけじゃないか!」(マディオ)

怒れる選手やチームたちは、ちょっとしたストライキさえ計画したほど。ゼロkm地点で足を止めて、審判団に抗議の意を示そうというのだ。ただしレース前の午前中に、開催委員会がチーム側を説得した(一部の情報では、逆に開催委員会の逆鱗に触れた……とも言われている)。なんとかストは回避され、初日から問題続きの100回大会は、さらなる問題の上塗りをせずに済んだ。

包帯や絆創膏の群の中から、すぐさまダヴィ・ヴェイユ、ラース・ボーム、ルーベン・ペレス、ビエル・カドリが抜け出した。ステージの真ん中に3つの峠が連なるこの日は、なにしろ山岳ポイント収集に最適なのだ。しかもカナダ人ヴェイユは、先日のクリテリウム・ドュ・ドーフィネ第1ステージで逃げ切り勝利を決め、まんまとリーダージャージを手に入れた経験を持っている。今回も同じような展開に持ち込める可能性があるかもしれない……。

しかしツールのプロトンはそれほど甘くはない。前の4人には、3分程度しか余裕は与えられなかった。2つ目の峠、3級セラ峠への上りが始まると、後方は容赦なくスピードを上げて行く。とりわけ「純白ジャージのエフデジ」から「青ジャージのエフデジ・ポワン・エフエール」に進化したフレンチチームが、驚異的な牽引を見せ、エスケープ集団を追い立てる。

ところが実際の攻撃に転じたのは、幸運の四葉のマークチームではなく、島を覆う野生林のような深い緑をたたえるユーロップカーの方だった。日本チャンピオン新城幸也にも逃げに乗る自由が与えられていた今ステージ、チーム目標は「エスケープに必ず1人、選手を送り込むこと」。2日連続で、100回大会のお祭りに乗り損ねてしまわぬこと。「レースを動かそうと考えていた。だって存在感を見せつけるには、最適な地形だからね」と監督フリカンジェが語ったように。つまりヴェイユの逃げだけで、最低限の目標はクリアしていたはずなのだ。ただ、チームはいい意味で貪欲だった。まずはゴール前74km、トマ・ヴォクレールがアタックを打つ。

昨大会マイヨ・ア・ポワ・ルージュの渾身の攻撃は、しかし残念ながら、マイヨ・ジョーヌのマルセル・キッテルを置き去りにする役割を果たしたに過ぎなかったようだ。すでに単独先頭に立っていたカドリに、結局ヴォクレールは追いつけなかった。すぐさまバトンは、ユーロップカーの後輩ピエール・ローランが引き継いだ。島の真ん中に聳え立つ2級ヴィザノヴァ峠で、2年前のラルプ・デュエズ覇者は飛び立った。

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