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カヴェンディッシュが定位置に戻ってからは、オメガファルマ・クイックステップは集団制御によりいっそう努めた。総合勢と堂々と渡り合って、トレインを走らせた。一列後ろに控えていたチーム アルゴス・シマノやロット・ベリソルといった他のスプリンターチームは、ゴールまで5kmを切ると、突如として最前線に躍り出て突進を始めた。フラム・ルージュ(ラスト1kmのアーチ)を先頭で潜り抜けたのは、グライペルを乗せたロット列車だった。
「チームは完璧なタイミングで仕事を成し遂げてくれた。チームメートたちを誇りに思うよ。ラルスイティング・バクとフレデリック・ヴィレムスが、ステージの間中、前方でボクらを守ってくれた。それからゴール前2kmに近づいたところで、主導権を奪い取った。アダム・ハンセンが最終1kmまで凄まじい引きを見せた。そこからはマルセル・シーベルグとユルゲン・ルーランツが素晴らしい仕上げをしてくれた。最終盤は微妙に上り気味で、ボクはついて行くのに必死だったよ。それでも、スプリントするためのエネルギーは残していた」(グライペル)
自らの背後でむなしくスプリントを切ったカヴェンディッシュを、まるで寄せ付けず、グライペルが力強い勝利を手に入れた。前夜ゴール前に発生した集団落車のせいで、チームメートにして、総合リーダーのユルゲン・ヴァンデンブロックが大会を去っている。スプリント勝利と総合表彰台とを追い求めていたロット・ベリソルは、急遽、1つの目標に完全集中せざるを得なくなった。悲しいニュースの直後に、「ゴリラ」はチームに喜びをもたらした。
落車からのプロトン復帰に力を使いすぎたカヴェンディッシュは、区間4位で納得するしかなかった。マイヨ・ヴェールのペーター・サガンは、またしても2位で――第2・3ステージも2位、第5ステージが3位――、新作のゴールジェスチャーを披露できないままだ。
またスプリントに向けた加速でちょっとした分断が発生し、総合リーダーたちはこぞって5秒遅れの集団でフィニッシュラインを通過。そして2日間マイヨ・ジョーヌを満喫したであろうサイモン・ゲランスも、この小さな罠にはまってしまった。不幸中の幸いか、チームメートのダリル・インペイが、オーストラリア人の代わりに黄色いジャージを手に入れた。
「本当にこの経験を楽しんだ。こんな機会が持てるのは、人生でもたった1度切りかもしれない。そして基本的に、ダリルのサポートなしでは、ボクはイエローを着られなかっただろう。だからこそ、彼にジャージが渡ったことは、本当にステキなことだと思うんだよ」(ゲランス)
そもそもたとえ同タイムゴールだったとしても、マシュー・ゴスのための発射台を務める南アフリカ人が、オーストラリア人よりも7つ上の順位でフィニッシュラインを越えれば、マイヨ・ジョーヌは譲渡されるはずだったのだ。
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