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サイクル ロードレース コラム 2013年7月7日

ツール・ド・フランス2013 第8ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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今大会最初の難関ステージの、ゴール前6km、早くもメイン集団は5人に絞り込まれた。クリス・フルームとアシスト役リッチー・ポート、アルベルト・コンタドールとアシスト役ロマン・クロイツィゲル、そしてアレハンドロ・バルベルデ(のアシスト役クインターナは十数秒先をいまだ走っていた)。それでもなお、この春パリ〜ニース総合を制し、クリテリウム・アンテルナシオナルとクリテリウム・ドュ・ドーフィネではフルームに次いで総合2位で終えたポートは、加速の足を緩めようとはしなかった。

「すでにボクだって限界に近かったんだけどね。でもコンタドールが遅れ始めた。だからこそ、俄然やる気をかきたてられたんだ」(ポート)

そう、過去ツールを2回(+1回剥奪)、ジロを1回(+1回剥奪)、ブエルタを2回制してきた現役最強のグランツールレーサーは、ひどく苦しみ喘いでいた。ポートの刻む高速リズムについていけず、ずるずると後退していったどころか、サポート役クロイツィゲルの後輪に張り付くことさえ難しかった。果たして暑さのせいか?ドーフィネ時と同様にアレルギーのせい?空白の1日だったのか、それとも?

「上りスピードがすごく速かったし、実のところ、ボクはひどく調子が悪かったんだ。なんとか追いつこう、カウンターアタックを打とう、と考えたけれど無理だった。チームメイトの働きには、特にクロイツィゲルには感謝している。今のボクに大切なのは、できる限り体調回復に努めること。明日は別の日。この先に希望をつなげていく」(コンタドール)

そして全ての締めくくりに、フルームが飛び出した。1年前のツールでは自由に羽ばたくことを禁じられていた。この日は、ラスト5kmからフィニッシュラインまで、リミッターを外して、思いっきりあらゆる力をペダルに込めた。クインターナを追い越し、全てを置き去りにした。まさに自己解放の瞬間だった。

「これ以上の喜びはないね。今日は大会最初の総合争いの日で、こうして1位と2位を手にすることができたんだから。まさしく夢が叶ったよ」(フルーム)

タイムを少しでも稼ごうと、ラインぎりぎりまで加速を止めなかった。喜びを爆発させたのは、最後の、最後の瞬間だった。1年前も大会8日目(第7ステージ)に区間勝利を上げ、チームリーダーのブラドレー・ウィギンスのマイヨ・ジョーヌをお膳立てしたが、今年はフルーム自らが大切なジャージを着込んだ。南アフリカのインペイから、「白いケニア人」は黄色いリレーをしっかりと引き継いだ。そしてリーダーから遅れること51秒。2番目にはアシスト役であり良き友でもあるポートが入り、総合でも堂々と2番目の席に座った。

ところで、近年あまりにもゴタゴタ続きだった自転車界は、どうしても警戒心を解くことができずにいる。フルームの独走勝利が、失墜したランス・アームストロングのそれにどこか似ているのではないか……という意見が早くも聞こえてきたのも、残念ながら、真実だ。本人にも直接、辛辣な質問が向けられた。「あなたは完全にクリーンな状態だと、我々に保証できる?」と。

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