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サイクル ロードレース コラム 2013年7月8日

ツール・ド・フランス2013 第9ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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まるでイラついた様子もなく、宿命を静かに受け入れたフルームは、その後はトイレタイムさえ持てないほど大忙しとなる。ちなみにゴール後、本来のルールならば表彰式→ドーピングコントロールの順番で行われるものなのだが、あまりにもトイレに行きたかったものだから……特例を許してもらって真っ先に尿採取用の検査室に駆け込んだほど!

さて、スカイアシスト勢の集団復帰を避けるために、とりわけ総合2位のリッチー・ポートが追いついてくるのを阻むために、ライバルチームたちは高速リズムを刻んだ。ガーミンやモヴィスターだけでなく、アルベルト・コンタドール擁するチーム サクソ・ティンコフも、積極的に集団を牽引した。その間にも、大小のアタック乱れ打ちが止むことはなかった。特に前方で存在感を示したのが、赤玉ジャージ姿(本来の1位はフルーム)のピエール・ローランだ。スタートから60km近くで、何度目かの加速を切ると、ヘシェダルやトーマス・デヘント、バルト・デクレルク、ロマン・バルデを引き連れて、ようやく小さな逃げ集団を作り上げた。

ただし彼らの試みも、背後で絶え間なく起こる小噴火のせいで、決して長くは続かないのだ。ツール史上屈指のヒルクライマー「トレドの鷲」フェデリコ・バアモンテスから、山岳ジャージを授与される名誉をローランがつかみとったその後に(ただし3つ目の峠はデヘントに、4つ目の峠は後ろから勢い良く飛び出してきた2012年ブエルタ山岳王サイモン・クラークに、それぞれ首位通過をかすめ取られてしまったが)、ゴール前40km前後で逃げ選手たちは次々と回収されて行くのだった。

ラスト60km地点から、フランス共和国大統領が、大会委員長カーに帯同していた。オランド氏は自転車よりも実はサッカーが大好きなのだが、この日ばかりは、スタート直後に放たれた炎がどこまで燃え上がってしまうのだろう……と、わくわくと戦いを眺めていた。ところが、一旦ひとつになったメイン集団は、モヴィスターが相変わらず恐ろしい勢いで牽引し続ける以外、どうにも打つ手がなくなってしまったようだ。最終峠の1級ウルケット・ダンシザンの上りでクインターナが4度加速を仕掛け、4度ともマイヨ・ジョーヌ自らが穴を埋めた。

「だって最後の山の頂は、ゴールから遠すぎたから(30.5km)。フルームに攻撃を仕掛けて突き放そうにも、どうにも難しかった。だからこそ今日は誰も大きく仕掛けたくなかったし、他の日に改めて攻撃する方を選んだんだと思う。ボク自身は、昨日よりもかなり調子が良かった。そもそもグランツールでボクの調子が最高潮に達するのは3週目。勝利を信じてる」(コンタドール)

「それでも、ボク自身はすごく満足してる。だって総合2位でピレネーを抜け出せたんだから。それに、スカイをバラバラに分解した。今日、ボクらは、あのチームの限界を見せつけた。ただし、フルームの弱点は見つけられなかった」(バルベルデ)

こうしてモヴィスターもサクソ・ティンコフも、またメイン集団内に複数選手を送り込んでいたベルキン プロサイクリングチームも、ポートを完全に表彰台圏内から引きずり下ろすことだけで満足するしかなかった。タスマニアっ子は区間勝者から17分59秒遅れで、メイン集団の面々からは17分39秒遅れでゴールへたどり着いた。こうして前夜の総合2位が抜けた分、第8ステージの総合3位〜8位までが、タイム差もそのままに、そっくり1つずつ順位を上げた。ただ総合9位のホアキン・ロドリゲスは、この日も9位のままだった。というのも総合13位だったマーティンが、見事なる花火でガーミンの特攻デーを締めくくると共に、総合8位にジャンプアップしたから。

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