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サイクル ロードレース コラム 2013年7月13日

ツール・ド・フランス2013 第13ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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そんなときに、不幸が起こった。この日の朝に総合2位(3分25秒差)につけていたアレハンドロ・バルベルデが、ゴール前85km地点で、パンクに襲われてしまう。しかも第1集団と第2集団の差はいまだ1分以内だったから、両集団の間にチームカーが入り込む許可は下りていない。つまりバルベルデはチームメートからホイールを借りて、交換するしかなかったのだ。そしてアシスト3人と共にすぐさま再スタートを切るも、ライバル全員がもぐりこんだ第1集団は、非情にも遠ざかっていくばかり。一時は15秒差にまで追い詰めたが……ベルキン隊列はここぞとばかりに勢いを増し、いつしかモヴィスター軍団は力尽きてずるずると後退して行った。

「不運に彩られた1日だった。ずっと前で走っていたのに、運命ががらりと変わってしまった。ベルキンが加速し、ユーロップカーも先頭集団で加速した。ベルキンがスピードを上げた理由は分かるけど、どうしてユーロップカーにその必要があったのか分からない。彼らがまだ総合を追い求めていたなんて知らなかった。でも、これがレースなのさ。今回こそ不運を避けたいと思っていたけれど、いつだって、ボクには何かが降りかかってくる。どうしようもなかった」(バルベルデ)

バルベルデに非難された赤玉姿のピエール・ローランも、その後、まったく同じ状況に陥ることになる。こうしてキッテル&バルベルデ&ローランの追走組は、横風という見えない壁に阻まれて、真っ直ぐな一本道でライバルの背中が遠ざかっていくのをただ眺めているしかなかった。辛い1日を終えたとき、バルベルデは9分54秒を失っていた。総合では2位から12分10秒差の16位へと転がり落ちた。

オメガファルマの作った第一波に続いて、ステージを左右する決定的な第二派を打ったのは、サクソ・ティンコフの面々だ。ゴール前32km、ダニエーレ・ベンナーティの加速に乗じて、青と黄色のジャージが次々前方へと飛び出したのだ!

「周りのチームメートに叫んだんだ。みんな、行こうぜ!トライしよう。俺たちに失うものなんて何もない!って」(マイケル・ロジャース)

「飛び出したあと、1人、1人、周りを確認した。ベンナーティがいる、よし。ロジャースがいる、よし。アルベルトもしっかり来てるぞ、よし。というようにね。決して予定していた動きではない。あの現場で、まさしく瞬間的に、『行こう』って決めたんだ」(ニコラス・ロッシュ)

こんなサクソ・ティンコフの6人(アルベルト・コンタドール、ベンナーティ、ロジャース、ロッシュ、ロマン・クロイツィゲル、トザット)の動きに同調できたのは、わずか7人だけ。カヴと2人のチームメート(シルヴァン・シャヴァネルとニキ・テルプストラ)、ペーター・サガンとアシスト1人(マチェイ・ボドナール)、そしてベルキンの総合3位バウク・モレッマと総合7位ローレンス・テンダム!

背後でもがく黄色いジャージがぼんやりと見えたが、あの瞬間は、側にアシストの姿はなかった。またしてもチーム力を利用できなかったフルームは、グランツール5勝の手練手管の大チャンピオン、アルベルト・コンタドールの謀反にまるでなす術がなかった。スカイと共に、乗り遅れたカデル・エヴァンス擁するBMCやクリストフ・ペローのAg2rも必死で前を追いかけるが、じわり、じわりと差は広がっていくばかり。

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