人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2013年7月18日

ツール・ド・フランス2013 第17ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
  • Line

雨が降り出す前に、トップタイムを叩き出したのはティージェイ・ヴァンガーデレンだった。第1週目で総合争いからあえなく脱落した昨大会の新人賞は、汚名返上とばかりに暫定首位に立った。この若きアメリカ人チームメートから、ほんの14分後に走り出したフィリップ・ジルベールは、コース中盤で土砂降りの雨にたたられた。ただし不幸に見舞われたのは、幸いにもほんの一部の選手だけ。2013年ツール・ド・フランスを初めて邪魔しにやって来た思い黒雲は、至極あっさりと、頭上から立ち去ってくれた。路面も急速に乾いていく。時折り、あちらでポツリ、こちらでポツリと水滴は落ちてきたけれど、ラスト15選手が雨に足を引っ張られることはなかった。

雨上がりには、スペイン軍団が驚異的な山の脚を見せつけた。「ブエルタにいるような気分にならなかった?」と、フルームに冗談のような質問が飛んだほどだ。真っ先にセンセーションを巻き起こしたのは、アレハンドロ・バルベルデ。風ステージで総合2位から転がり落ち、この日は総合15位の場所からスタートを切ったスペインの「エル・インバティド(無敵)」は、「TJ(ティージェイ)」の記録を1分20秒以上も塗り替えた。

これ以上の衝撃を、ホアキン・ロドリゲスがもたらすことになる。タイムトライアルが自身最大の弱点で、幾度も、特に2012年ジロをTTで失った「エル・プリト(小型葉巻)」が、51分43秒20というとてつもないトップ記録を叩き出した!2度目の上り途中のメカトラで、予想以上に早い段階でTTバイクへの交換を強いられたにも関わらず、である。

これもまた、アルベルト・コンタドールに、0.73秒差で打ち砕かれてしまうことになる。「エル・ピストレロ(ガンマン)」は、総合勢としては珍しく、スタートからゴールまで、ディスクホイール搭載車1台で全力疾走した。しかし、得意のピストルを、表彰台の上でぶっ放すことはできなかった。念願の区間優勝に、あと9秒足りなかった。

「いい走りができたから嬉しいけれど、ほんのわずかの差で勝てなかったのは残念だ。最後の下りで雨が降ったから、少し速度を緩めることに決めたんだ。だって昨日、転んだから。フルームの方はリスクを冒したのかどうかは分からないけど、とにかくボク自身はリスクを冒したくなかった」(コンタドール)

来る難関3連戦に向けて好調さをアピールしたスペイントリオに対して、オランダ軍団は少し勢いを落としてしまった。しかも総合6位だったローレンス・テンダムは、ラスト5kmの左カーブで大きく道を外れ子供と衝突。総合2位だったバウク・モレッマは、ペローや新城が引っくり返った魔のカーブで、こちらはフェンスに激突。それぞれに「子供がそれほど問題ない様子で、安心してる。ボクはリスクを冒しに行って、逆に30秒失ってしまった」(テンダム)、「下りでブレーキが上手く効かなくて、自信がなくなっていた。カーブを切るのが遅すぎた。転ばなかったから大した問題ではないけれど、5秒くらいは失ったかな……」(モレッマ)と、悔しそうなコメントを残している。

すなわちマイヨ・ジョーヌを除く、総合2位以下の「表彰台争い」や「トップ10入りの戦い」は、様々な動きがあったことになる。コンタドールは総合2位にジャンプアップしたし、確実なTTを実現させた同僚ロマン・クロイツィゲルは3位上昇。モレッマは2位から4位へと下落しただけでなく、表彰台まで1分半以上もの差を喰らった。コロンビアの星ナイロ・クインターナは5位キープ。プリトはテンダムとの位置を入れ替えて6位へ。さらにペローの離脱により、総合10位圏内に1つ空席ができ、前日11位だったミカル・クヴィアトコウスキーが滑り込んだ(9位)。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ