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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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「うん、確かに同じようなやり方で勝ったね!でも、前にローランが飛び出していたから、少々難解ではあったんだ。それにスタート時に思っていたほど、自分の調子が良くなかったし。だから体力を温存しながら最後の上りを待って、ローランを抜き去った。2勝を上げられて本当に嬉しい。しかも今回は100回記念大会だから、ボクにとっては、よりいっそう大きな勝利だよ!」(ファリアダコスタ)
運がなかったのはローランだけではない。アンドレアス・クレーデンも、下りを利用して必死に前を追いかけたけれど、奮闘むなしく区間2位で1日を終えた。やはり3日前のギャップでも、ファリアダコスタを追いかけて、区間5位(2位集団)に泣いた。そして9年前の……ここル・グラン・ボルナンでも、ランス・アームストロングに小集団スプリントで打ち負かされ、区間2位に沈んでいる。そう、今は失墜したボスが、例の有名な「ノー・ギフト」のセリフを吐いた日のことである。
マイヨ・ジョーヌ集団内では、サクソ・ティンコフが、ステージ前半からコントロール権を握り締めた。平地や下りではマッテーオ・トザットが激しくプロトンを牽引し、上りではニコラス・ロッシュがテンポを刻んだ。逃げ集団にさえ、ヘスス・エルナンデスとセルジオ・パウリーニョを送り込んだ。「アルベルト・コンタドールがアタックを仕掛けるに違いない!」、「またしてもゴール前の下りか?」と誰もが色めき立った。しかもサクソボーイズの超高速リズムが、フルームの周りから、スカイのアシスト勢を次々とむしり取っていった。最終峠に入る頃には、護衛役はリッチー・ポート1人になっていた。
ところが、コンタドールは極めて珍しく、自発的には動かなかった。むしろ、積極的にアタックするつもりなどなかった、と言うのだ。
「今日のチームは素晴らしい仕事をしてくれた。あれはチーム総合首位を守るための動きだったんだ。たしかに、ボク自身でアタックしてもいいかな、と思った瞬間もあった。調子が良かったからね。でも、ロマン・クロイツィゲルと離れずに走ることが、やっぱりベストだと考えたんだ。下りアタック?いやいや、雨が降ったから、今日はあれほどの危険は冒すつもりはなかったよ(笑)」(コンタドール)
つまり肝心のチーム順位は、コンタドール、クロイツィゲル、そして逃げに乗ったヘルナンデスの三者が上位タイムを叩き出したおかげで、総合首位を守り抜いた。ただレディオシャックが2位クレーデンと、やはり逃げていた3位ヤン・バークランツのおかげで、3位12分29秒差から2位3分39秒差へと一気に詰めてきた。個人がダメなら、せめてチームだけでも……と願う両チームの、第20ステージの動きには密かに要注目だ。
すでにマイヨ・ジョーヌから5分11秒も離され、逆転首位が絶望的になった総合2位コンタドールの代わりに、総合トップ10や表彰台の「より上」の位置がいまだ諦め切れない選手たちが、小さな攻撃に転じた。最終峠では総合11位アレハンドロ・バルベルデが真っ先にアタックを仕掛け、幾度も畳み掛けた。表彰台まで26秒差のホアキン・ロドリゲスも加速を打ち、逆転総合2位まであと21秒のナイロ・キンターナは、山頂で抜け駆けにトライした。両者の駆け引きには、さすがのコンタドールも反応せざるを得なかった。またゴール前のダウンヒルでは、前夜のサレンヌで見せたダウンヒルアタックの比ではないけれど、やはり総合4位クロイツィゲルを使ってコンタドールは集団スピードを上げた。
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